
著者 鵜飼有志 イラスト ねこめたる
99回に近づくにつれ死が迫る
TVアニメ放送中な
デスゲーム物語、第9巻。
TVアニメ放送中な
デスゲーム物語、第9巻。
あらすじ
尸狼と、〈密会〉と、敵対を宣言した私・幽鬼は、郊外の別荘に活動拠点を移していた。プレイヤーとしては気力・能力ともに不足なく、順当にクリアを重ねるが、その一方で胸に不安を抱えていた。八十回。師匠の肉体が崩れ始めてきたのもこの辺りからだという。私も同じ道を辿るのではなかろうか?……そんな最中にも、尸狼は暗躍を続ける。私の代わりとなる人物を求め、とあるプレイヤーのもとを訪ねていた。――そして来たるは、怪盗の窃盗劇をモチーフとしたゲーム。私を破滅に突き落とすのは、いったい誰だ?ある時はクノイチ衣装で。またある時は探偵の装いで。飽きもせず私は、死亡遊戯で飯を食う。(MF文庫J公式サイトより)
感想
前巻(1巻)のお話
前回の感想はこちらから
登場人物をまとめたりもしているので、良かったらこちらも見てみてくださいね。
試し読みまでのお話
密会への協力を断った幽鬼。尸狼が暗躍を続ける中、幽鬼は不安を抱えていて――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
だめになる運命
さて今回は運命と死亡遊戯な回でした!
前回ラストで密会への協力を断った幽鬼! そんな幽鬼は77回目のゲームに参加していました。今回のゲームは〈ギミクリーマンション〉。忍者屋敷?から脱出する脱出型のゲームです。そして今回も〈密会〉のメンバーが同じゲームに参加していました。
それが鷹三! 8巻の口絵でカラス使いと書かれていた悪人面の女性です。そんな彼女と同じゲームをして何事もなくクリアした幽鬼。しかし、彼女はある不安を抱えていたんですよ。それが左腕の爆弾。いつ機能を停止してもおかしくなかったんです。
近く、私は大きく損なわれる。
(94ページ 引用)
でも、それだけじゃなかった。幽鬼は77回目。遠くない瞬間、肉体がくまなくだめになる。そんな運命を感じ取っていたんですよね。今でも壊れそうなのに、この先何が待ち受けているのか。白士はぽっと出の伽羅にあっさりと敗北して引退した。
幽鬼の強さは1巻から見ているから知っているけれど、文章にもこう書かれて、どんな強者でも誰かに簡単にやられることも知らされているので、幽鬼がやられるのは想像できないけれど、幽鬼が知らない誰かにやられるかもしれないという漠然とした怖さが同時に襲ってきて乱されますよ。
プレイヤーの勧誘に際し、運営が注目するポイントは主に三つである。見世物にできる程度の容姿をそなえていること。ゲームを生き残れるだけの明晰さと凶暴さを持ち合わせていること。そして、その上で人間としてどこか壊れたところがあること。
(96ページ 引用)
さて、次のゲームと行きたいところなんだけど、なんと今回は幕間でゲームのことが少しだけ明かされていました。「初参加のパターンについて」と「多回数クリア者について」です。この2つが明かされていたんだけど、個人的に気になったのは初参加の方で。
上に書いた、明かされた3つのポイントですよ。容姿についてはまぁこれが多いだろうな、そうだよなと思う面がありますよね。明晰さや凶暴さは見れば分かる。ただ、人間として壊れたところがあるというのはどうやって見分けているのでしょう?
「――琴乃さん」
(111ページ 引用)
幽鬼のような子って特殊だけど、それを押し込めるこのゲームって。と、考えていくと異色なこの世界に沼りそうになりますよね。さて、話を戻したいところだけど、また変わって。前回私は感想で他の子が再登場するって言っていたけど、出てきちゃいましたよ!
それがなんと言葉! 今、アニメで〈スクラップビル〉が絶賛放送中ですが、なんと言葉が再登場しました。生きてたんですね…。挿絵見た瞬間に驚きましたよ。ただ、この人、〈スクラップビル〉後に新規プレイヤーの斡旋業をしているそうで。
生き残っているプレイヤーは本当に狂気じみてます。さてさて、そんな言葉が登場したわけなんですけど、今回注目したいのは彼女ではなく、彼女の古書店でバイトをしている神楽です! 彼女はゲームで死亡した友人の遺体を回収するため、ゲームに参加していたんですよ。
「その人形って、いくらぐらいするんですか?」
(137ページ 引用)
ここからはネタバレすぎるのであまり言わないけど、今回でゲームに関するいろいろが見えてきましたよね。プレイヤーの勧誘や死亡後の措置。などなど、あったわけですけれど、漫画版では少しだけ書かれていた運営のメモが本編でも語られ、終わりが見えてきたのを感じます。
今回、驚く場面はいろいろあったけれども、個人的に印象が強かったのは幽鬼よりも神楽で。友人の遺体を買うためにゲームをクリアする。神楽の行動が、人が死に過ぎるこの作品で起こり得る「この子も死ぬ」という錯覚もあって、妙な驚きがありました。
「はい。期日までに、なんとかしてもう一回ゲームに出ないと……」
(246ページ 引用)
感覚が壊されているのかもしれませんね…。死亡するか分からないゲームをクリアしてまで、遺体を手にしたいのかという琴乃と同じ意見はあったけれど、最後の神楽と琴乃が海洋散骨するシーンは、こういう子がもっといて欲しいと思えた、今回の一番印象に残った場面でした。
(売却のことは初情報だったけど、変態な観客がいるのは分かってますからね…。運営はやりそうでしたよね…) そして、幽鬼。やはりこうなってしまった。白士が伽羅に負けたときに、幽鬼はこう思っていたのかと思いさせられましたよ。(御城だったら絶対怒ってる!)
そのくらい幽鬼には、この不安も返すだろうと期待があった。けれども、この結末。雪名がゲーム後に救急隊員と激しくやり取りをして、目覚めた瞬間は「よかった」と呟いたのが、温かくはあったけれど、滅びからどうなっていくんでしょうね。
「ぜひ、協力させてほしいと」
(236ページ 引用)
そして、再登場したのは言葉だけではない。藍里ですよね。7巻にもちょっとだけ出てきてはいたけれど、まさか幽鬼を超えているとは…。1巻で「もう金輪際関わりたくない」と言っていた子はほんとにどこに消えたんでしょう。
ゲームを続けるとここまで変わっていくのかと恐ろしくなります。そんな藍里も加わってしまった〈密会〉と、キャンドルウッズを超える参加人数のゲームで、身体を換えた幽鬼はどう戦っていくのか。10巻は夏発売らしいです。
白士や古詠、神楽は参加しないとして、紅艶がプレイヤーになったり、毛糸や海雲が出てきたりするんでしょうかね…。〈密会〉、藍里と真熊も参加するゲーム…。どこまでの規模になるのか想像できないですが、10巻も楽しみですね!
以上、ラノ感でした!
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