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著者 竹町 イラスト トマリ

『灯』はなぜ成就を決断したのか。
かつての盟友が『灯』を明かす
不可能任務に挑むスパイ物語第14巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

 ライラット王国で革命を成し遂げた『灯』は、ディン共和国の救世主として帰還を果たす。たった1人のスパイを除いて。 ――それから一年が経過して、『灯』の少女たちは各々自分にしか成し遂げられないスパイとしての道を見つけ、護国のために働く偉大な存在として認められるようになっていた。かつて「先生」と慕っていた青年とは、完全に袂を分かったのだ。――本当に、そうか? ディン共和国の防諜組織『巓』に属する《浮雲》のランは、『灯』の裏切りの可能性を調べる任務に就く。 『灯』と親交の深いランにしかできない不可能任務。 『灯』の心を解き明かせ。

(ファンタジア文庫公式サイトより)

感想


前巻(13巻)のお話

前回の感想はこちらから

登場人物をまとめたりもしているので、良かったらこちらも見てみてくださいね!




試し読みまでのお話

クラウスが抜けた『灯』。1年後、偉大な存在として認められるようになった彼女たちのもとに、かつての友・《浮雲》ランが現れて――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



《奈落人形》

さて今回は『灯』と理由な回でした!


ディン共和国の救世主として帰還を果たした『灯』! そんな中、『巓』に加入していた元『鳳』のランは、陸軍基地を探っていたスパイ・『灯』を調べることになります。まさかのラン視点! あれからぜんぜん出番がなかったけど、久しぶりの登場でこれってね…。


クラウスが離脱してるわけですから、救国者とはいえリリィたちが疑われるのは当然ですけど、ここでランが出てくるとは。前回『巓』のボスが出てきていたけど、こういうことだったか。さて、早速調べることにしたラン!


その隣には同じ『巓』のメンバーがいました。名前は『宝珠』のヴィニベルガ。サラと同期で卒業試験を1位で突破したエリートなんだけど、訓練着のサイズを調べちゃうくらい、『灯』の大ファンだったんですよね。


「――ティア殿自身が、計画に賛同した理由を知りたい」
(52ページ 引用)


そんな子と陽炎パレスに訪れたラン。そこで待っていたのは『灯』のボスになったティアでした。ティアからクラウスが抜けたときのことを聞いたラン。そして彼女はティアに対して上のことを聞くんですよ! フェロニカが成就を望んだからと答えるティア。


あのとき語られなくて、読者全員が気になっていたこの理由。私ももちろん、気になってましたよ。でも、ランに言うってところが、ね。今までスパイ教室を読んできたからこそ、これ嘘じゃないかって思ってしまうよ。


「――いらっしゃいませ。陰謀が錯綜するスパイ酒場『アカシア・クヴェレ』へ」
(85ページ 引用)


さて、ヴィニベルガの特技『超視力』によって、ティアが嘘を吐いていたことに気付いてしまったランたち。そんな2人はエルナを見つけて、サラがやっている酒場に入ることに! って、ほんとにあの3人がやってる!?


終わったらなんて言っていたけど、まさか3人で開くなんて。とはいってもスパイは継続中ですけど。スパイ酒場ですし。そんな話は置いといて、3人にもランは計画に賛同した理由を聞きます。エルナはアネットに言ったように善と悪、両方を受け入れて。


「――自分たちは、それぞれの理想を歩き始めたから」
(95ページ 引用)


サラは『灯』の守護者として『灯』を守るために。アネットはサラと同じと答えるんですよね。この3人は酒場のこともあるけど、選んだ道をそのまま選択にも反映したのが分かって、なんだかホッとしましたよ。


さてさて、モニカとリリィのところへも行き、《奈落人形》を知るため《裏書架》へ潜入してしまったラン。モニカによって、クラウスが《奈落人形》を狙っている可能性に気付かされる中、ランは世界のために『灯』に別れを告げます


「――せんせいに『降参』と言わせ、また、かつての『灯』を取り戻したいの」
(216ページ 引用)


ここからはネタバレすぎるので言わないけど、騙し合いでしたね。『灯』に入るかもしれない、そう思っていた人も多いランが『灯』を罠に落とそうとする、でも、成長した『灯』が彼女の嘘を超えて、ボスを倒すために、全てを敵に回す。


1巻から成長したけれど、変わらないものがこの巻でさらに見えた気がします。そして《奈落人形》ですよね。ここまで各国が蠢き合うものになるとは、1巻の時は想像もつきませんでした。誰が手にするのか。


世界最高のスパイの遺作ともいえる兵器に届くものはいるのか。いるとしたら彼女たちであってほしいですけど、まだ一波乱ありそうですね。そして、最後はランとティア。2人が今回の主人公と言っていいかもしれません。


「今は、夢を語りましょう。『灯』が描く、世界の中心で」
(282ページ 引用)


新たなボスとして選ばれたティア。マティルダに騙されていた彼女はもういないでしょう。ヴィニベルガを騙し、ボスとして仲間の心を読んだ彼女は、憧れの人につけてもらえていたコードネームのように憧れを超えていくはず。


そしてランですよね。私はこの巻をよんで可哀想と思ってしまいました。『灯』と連絡を取り合っていた友でありライバル。そんな関係の彼女ですから、『灯』が疑われている状況で「私なら」と期待していたと思うんです。でも、後輩を騙しの道具にされ、自身も倒された。


「だからこそ――自分を、頼ってくれたのではなかったのか⁉」
(203ページ 引用)



『灯』の選択だったら、『巓』ではなく『鳳』の一員としてねじ伏せる。そんな彼女の思いは、騙されているかもしれないけど、読んでいて辛かったですね。しかし、火の鳥の絵だけが残っていた。ということは、そういうことだと思いたいです。


さて、15巻は《天邪鬼》のジビアになることでしょう。16巻が《悪戯娘》で17巻が《失楽園》ですかね。時間から世界に変わった台詞も今になって、意味が見えて気がします。モニカから渡されたギードの遺品。武闘派な彼女がどう使っていくのか。


また、リリィですよね。謎が多すぎる彼女がリーダーとしてどう活躍するのか。詐術がまだ秘密な彼女。天然な行動が詐術だったりするんですかね。実技は得意だったみたいだし、どうなんでしょうか。さて、15巻はどうなるんでしょう、楽しみですね。


以上、ラノ感でした!