
著者 二月公 イラスト さばみぞれ
それでも――、○○の道を選ぶよ
楽しい文化祭で将来を選択する
声優ラジオの青春エンタメ第9巻!
楽しい文化祭で将来を選択する
声優ラジオの青春エンタメ第9巻!
あらすじ
「……このままでは、非常にまずいです」『ティアラ☆スターズ』のライブ第2弾は大成功だったものの、オーディションでは連敗中。焦りから仕事へ打ち込む由美子に担任教師が突きつけたのは、模試の結果。今のままだと受験も声優業も共倒れ!?加賀崎の勧めで学生生活へ専念する由美子。友人との勉強会や文化祭準備―-久々の"青春"はとても楽しくて。「こんな風に、演技のことを一切考えない期間って初めてでさ」 素直に楽しむ女子高生・佐藤由美子と、不安を抱く声優・歌種やすみ。悩める彼女が目にしたのは、アニメもラジオも大活躍な千佳の姿で――。進路に、千佳との関係に。心揺れる青春声優ストーリー第9弾!(電撃文庫公式サイトより)
感想
前巻(8巻)のお話
前回の感想はこちらから
試し読みまでのお話
『ティアラ☆スターズ』のライブ第2弾は大成功だったものの、オーディションでは連敗中だったやすみ。高橋や夕陽が役を勝ち取っていく中、やすみは加賀崎さんから「オーディションを受けるのはやめないか」と告げられて――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
青春と声優
さて今回は声優と進路な回でした!
加賀崎さんから「オーディションを受けるのはやめないか」と告げられてしまったやすみ。自分が勉強に身が入らないのは、大学に行く意味を見出してないからとも言われたやすみは、声優業を休むことに!
今まで声優のことばかりで修学旅行やテストなど、学校のことはそこまで描かれてなかったからようやくスポットが! やすみは突っ走るタイプに思えてもしっかり考えてるから、この進路決めが今後に影響しそう。
「というか、焼きそば作るんだったら、あたしがキッチンやるっつーの」
(57ページ 引用)
さて、文化祭で模擬店をやることになったやすみたち3年1組! 料理上手なやすみは当然キッチンです! ただ、買い出し班はポンコツで…。賞味期限が近い焼きそばを大量に買ってくるって…ね? 普通値段見た後に、賞味期限を確認しない? え!? しない?
そんなこんなで、麺なんて賞味期限ないと言い出した夕陽も加わって、焼きそば祭り開催! クラスメイト達は大量のやすみの焼きそばに一喜一憂。ただ、やすみはだんだんと声優から離れていくことで今までと同じように演技ができるか不安になっていて。
『ティアラ☆スターズ』のメインキャストとして成功させた、声優として3年間の実績がある。ただ、今の自分はオーディションも受からず、学業を楽しんでしまっている。歌種やすみが消えていくって言ってるけど、一瞬でも何かが離れていくとそれが自然と失うことは多くあるんだよね。
例えばブログでもそうなんだけど、毎日投稿をやらなくなると、それが日常化しなくなって、やらなくなるとか。これは一例に過ぎないんだけど、日常化していた何かが離れると不安が生まれちゃうのは、私は身に染みてて刺さりましたよ。
「――わかった。やる。あたしでよければ、主役やらせてもらうよ」
(111ページ 引用)
さて、文化祭も一区切りついて、若菜から呼び出されたやすみ! そんなやすみは委員長から演劇の主役をやってくれないかと頼まれます! 彼女の憧れを聞いて、参加することにしたやすみ。
そんなやすみは練習の後、若菜に「たまにめっちゃ辛そうなときあるじゃん」と告げられるんですよね。声優から離れて感じる楽しさ。自分が『やりたいこと』って? 振り返り悩むやすみの前に先輩声優とライバルが現れます。
「それでも――、声優の道を選ぶよ」
(326ページ 引用)
ここからはネタバレすぎるので言わないけど、声優か青春か、それ以外か。先輩たちも「苦しい」という辛くて厳しい声優の道だけじゃなく、一度しかない最後の文化祭を皆と楽しんで決断した『佐藤由美子』の選択が良かったんですよ!
やっぱりやすみの隣に立ち、喝を入れてくれたのは夕陽で。何度目のことか分からないけど、互いにぶつかり合い、厳しい言葉をかけつつも支え合う2人の、ライバルな2人の絆は見ていて熱くなるものがありましたよ。
親友の若菜の言葉も良くって。声優じゃなかったら、青春を謳歌していたら、隣は彼女なんですよね。1巻から気遣ってくれていた若菜だったけど、ある場面でもちゃんと適切な人を連れてきていて。
やすみがどっちの道に進んでも明るい道に行ける、それを分かりやすくさせている1つが彼女でもある。今回、やすみと表紙になってたんだけど、こういう青春もあるのが見えて、楽しそうな姿が見れて、何故だかうるってきちゃいましたよ。
青春トラブルがありながらも舞台を夕陽と成功させたやすみ。今は前を行ってくれるライバルがいる中、心から声優の道を進みたいと選択した、自分の人生を選んだやすみはどうしていくのか! 10巻はきっと大きな夢の舞台が描かれていくことでしょう。憧れに届くのか、10巻ももちろん楽しみですね!
以上、ラノ感でした!
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