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著者 久追遥希 
イラスト konomi(きのこのみ)

幼馴染はいったい誰?
期末総力戦も7ツ星が嘘を吐く
逆転学園頭脳ゲーム最終巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想
3 ▯まとめ

 

あらすじ

仲間たちと共に越智春虎の数々の策略に対抗し、ついに奇跡の逆転勝利への道筋を見出した俺・篠原緋呂斗。偽りの7ツ星である俺の秘密や彩園寺の正体などの「俺たちの嘘」すら利用したギリギリの作戦に対して、越智がどんな手を打ってくるのか読み合いは続く。勝利した方が8ツ星昇格戦の権利を手に入れる頂上決戦だ。俺の持てるすべての頭脳と力を駆使して、姫路や英明学園の仲間、そして彩園寺や羽衣らと共に勝利を掴んでみせる。その先にこの最強の嘘が真実となり皆が幸せになれる未来にたどり着くために。いよいよクライマックス──最高の結末へと至る決闘を始めるとしよう!

(MF文庫公式サイトより)

感想


前巻(14巻)のお話

前回は彩園寺が捕まったことで、暴走してしまった夜空は【ラスボス:モードB〈進化〉】に至っていましたね。陣営選択会議に参加した篠原は、越智が他戦力を削っていたことを見抜けずに、《投げやりな乱数調整》を利用されてしまって。

探偵陣営が桜花と森羅だけになり、開幕してしまった期末総力戦サドンデスルール《リミテッド》。怪盗陣営が続々脱落していく中、小夜に助けて欲しいと頼まれた篠原は、朱羽莉奈を編入させて、夜空の暴走を止めようとするも、霧谷に阻止されて1対1を決意。

第9ラウンドで【七番区交戦エリア――名称:《クリエイト&ロバー》】で霧谷と直接対決をすることになり、能力発動のキーワードを会話の中に混ぜるというコードな心理戦が行われる中、篠原は自爆系の能力《拘束の糸》を他の2つ能力と同時に発動。

《拘束の糸》を強奪させたことで勝利して、朱羽莉奈が《決闘》に参加したものの、空色の星のアビリティ《征服》を使用した越智が、夜空からラスボス化を奪ってしまって。

篠原は越智の《征服》を超強化して、伊織の持つ冥星《識別不能》を呑み込ませることにして、第16ラウンド『四番区《区域大捕物》:名称《バックドラフト》。久我崎のスパイコマンドによって不破兄妹を騙しぬいて勝利した篠原は《リミテッド》最終日に、ラスボスとなった越智と相対していました。

前回の感想はこちらから

登場人物をまとめたりもしているので、良かったらこちらも見て見てくださいね!




試し読みまでのお話

期末総力戦《リミテッド》第18ラウンドが終了し、作戦会議を始めた篠原たち。第18ラウンドで零番区に突入していた結川から情報を聞いた篠原は、5人で越智と戦うことに決め――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



《Lir‘s Rule》

さて今回はライアラ最終巻な回でした!(今回は語りたいこと多すぎるので、めちゃくちゃ多めでいきます。別に記事書くかも! そのくらい言いたいことが多すぎる!)


第18ラウンドで零番区に突入していた結川から情報を聞いた篠原! 作戦会議を終えた篠原は、摩理ちゃん、姫路さん、赤羽さん、会長の4人と越智に挑むことに! 感想いく前にまず言わせて、X見てたら最終巻とか言われて、マジでビビったよ!

次は越智との最終決戦でしょ? その次はようやく幼馴染編かな~とか思ってたら最終巻って流れてきたんだよ! 皆さんどう思いました? 私はもう「え? は?」って言いまくってましたよ。(ごめんなさい、長くなりました)。


「頼むぜ、みんな。正真正銘、これが最後の《決闘》だ――!」
(64ページ 引用)


さて、本編に戻って。零番区《区域大捕物》《Lir‘s Rule》開幕! 今回のルールは簡単にいっちゃうとルール追加型のケイドロ。鬼と子に分かれて、コンテナに入った拡張ルールを集めて使って、鬼は子を捕まえて、子は鬼から逃げろというものです。(詳しくは本編で!)

ただこの決闘、子には勝ち筋が【攻守交替】のルールを使って、鬼側になる以外存在しないんですよね…。そして、越智はアビリティを使うためのAPがラスボス効果で∞という最悪な始まり。ほんと越智が容赦なくて、私が戦うとしたら嫌になっちゃうよ。


AP制限

そんな∞APの越智に対抗するため、篠原くんは早速、AP制限ルールを獲ろうと動きます。だけど、越智はラスボス効果でAP制限をすでに獲得していたんですよ! もう越智のシナリオに動かされているかのように思えてきちゃうのが怖いよ。


そして、その作戦を任されたのは、なんと摩理ちゃんでした! 摩理ちゃんを越智の前に1人残し、篠原くんたちはその場から逃げるんですよね。1年生がたった1人、ラスボスの前に立つ。信頼されてるのは分かるけどどれだけ怖いか。


「――《簒奪者の腕》を起動しますっ‼」
(79ページ 引用)


作戦の要として選ばれてますからね。私だったら震えちゃう。それでも摩理ちゃんは《ヘキサグラム》や佐伯のときからかなり変わりました。学年対抗戦《新人戦》では1位でした。そして、この作戦で彼女は越知からAP制限を奪うんですよ! もう、すごいよ、摩理ちゃん!


森羅の暗殺者

AP制限を奪われてただで済む越智ではありません。越智は【追加動員】を使用するんですよね。そのプレイヤーに榎本会長をなんと瞬殺。霧谷じゃない、阿久津じゃない、だったら《アルビオン》が会長を瞬殺できる人物なんて――1人いたんです。

《アルビオン》の創始者で、霧谷が1度しか勝てたことがなく、中学時代、森羅のエースで森羅の暗殺者と呼ばれたバグ使い! そう、張替先輩ですよ。なんと卒業したはずの彼女が《決闘》に参戦! 彼女の強さは分かりにくいとこもあったので、いい補完だけど、意外だよね。

そんな張替先輩のバグを使った荒業に、篠原くんと姫路さんは嘘で立ち向かうんです。一気に5つのルールを追加しても、コンマのラグで対応してくる張替先輩。ただ嘘じゃ、2人には勝てるわけないですよね。私たちは見てきてるんだもん! 何度も。


「舐めんなよ、先輩。嘘で俺たちに勝とうなんて、そんなのは千年早いっての」
(140ページ 引用)


というわけで張替先輩に勝っちゃうんだけど、篠原くんはなんと、始まってから一度も攻撃弾選択者だと明かさずに戦っていたんです! その嘘が見抜けず、HP1だった張替先輩は数分間行動停止に。戦い後の最後の台詞が上のなんだけど、先輩にもこう言っちゃう篠原くん、カッコいいよね。


攻守交替

さて、《新天地解禁》を手にした篠原くんたち。もちろん次なるミッションは《攻守交替》! これがないと勝てないもんね…。ただ越智はこの《攻守交替》を勝利に繋がるピースを持ってたんです! やっぱり簡単には勝たせてくれないよ。


ただ篠原くんたちは手にするんですよね《攻守交替》を。しかしそれは、《攻守交替2》ってもので、鬼を倒さないと交代できないってものだったんです。それでも3人は【逃げ足特化】という時間が経てばAPが増えるルールを使い、分断させる作戦を立てるんです。


「君、なんか私と同じ匂いがするんだよね」
(170ページ 引用)


そう、2人と1人に。そして1人になった姫路さんが戦うことになったのが、張替先輩でした! 張替先輩も気付いてたんだけど、バグ使いとイカサマの同じもの同士の直接対決ですよ。姫路さんは紬ちゃんたちを使って予め手を打ってまで対抗。


それに対して張替先輩は録音した音声で姫路さんを追い詰めてきて。それでも姫路さんは――って言いたいけど、ちょっとネタバレ多すぎなので、少しだけいうと。同じもの同士と言いつつもバグとイカサマの違いが上手く《決闘》に出ていて面白かったんですよね。(本編をぜひ!)


8ツ星

さてさて、張替先輩を失った越智。篠原くんとの最終対決になる中、越智は【ラスボス:モード《破壊》】を発動させてしまいます。ここからはネタバレすぎるので言わないけど、本物の7ツ星になった篠原くんの最後の嘘がカッコよかったんですよ!


皆と協力して、越智を騙しぬいて。最後は衣織がいいところを持っていっちゃったんだけど、この越智と衣織のシーンも挿絵があって、最終ラスボス化を止めるってときに衣織が作中初めて声を出しってのがもう、ね!


あの場で越智の動きを止めることができたのは、この世界に彼女しかいなかった。
(251ページ 引用)


251ページにこう書いてあるんだけど、まさしくそうで。ヒロインが止めるのは物語で多いんだけど、越智にとってのヒロインは衣織なんだよね。彼女のために戦ってたんだもん。挿絵見て泣きそうになっちゃったよ。


『――誰でしょう? というのが、8ツ星昇格戦EXの内容です』
(276ページ 引用)


そして、期末総力戦が終わり――でこの物語は終わりません! アニメの感想で「あ、そういえばこの物語、幼馴染を探す物語だった」なんて言ってる人いたけど、これなきゃ終われないんです!


8ツ星昇格戦は夜空と戦うことになっていたんだけど、夜空が拒否して羽衣さんの提案で決まったのが「幼馴染を探せ!」。 私、登場人物をまとめさせてもらっていて、この時のために裏で考察とかしてました。


「“正解”の幼馴染みの方には、篠原さんの運命の相手だという自覚がこれっぽっちもないみたいですから」
(287ページ 引用)


ただですよ、皆さん! これですよ。本人すら知らないという…。うん、分かんないよ、こんなの! そうやって8ツ星昇格は始まっていくんだけど、ヒロインたちからヒントを聞いて、順番に誰か分かってきてからの、っていう!

私は途中から皆実推しになってたんだけど、今回の皆実とのやりとりも、ね! 来年もよろしくね、なんていうなんて、4巻からじゃ考えられなかったですよ。そして、最後は――と。本当の最強になった篠原くんの願いが叶った後の《決闘》。見てみたいものです!


まとめ

というわけで15巻の感想レビュー?でした。

長くなるので内容まとめは今回省略! ライアラ完結な第15巻! 篠原くんと仲間の成長をこれでもかと堪能させていただきました! 《決闘》も総仕上げとして、ルールの追加という読み側が分かりづらくなりやすいものながらも、嘘と騙しが利いていて、読みやすく驚かされて。

久追先生のゲーム設定さらに好きになりましたね。6つも手にしたのに色付き星が最終的にあまり使われなかったのは残念なところではあったけれど、それでも、姫路さんと張替先輩のイカサマVSバグに、越智と篠原のラスボスと最強対決は熱くって。

そして、konomi(きのこのみ)先生のイラスト! 最後まで可愛くカッコいいイラストで何度も魅せられました。イラストだけでも買っちゃいます、こんなの!(後日、Art Worksの感想もあげます)。

ライアラの中で特に好きだったのは、皆実の「ひろと」と、ツムツムのロイドケーキイラストなんだけど、真っ赤になりながら耳元で告げつつ、篠原くんの表情を描かれてないのが、想像を掻き立てられもして、また皆実の照れがグッと伝わってきて素敵で。

ツムツムの誕生日ケーキのイラストは、ツムツムのケーキに向ける輝いた瞳と、食べたいけどもったいなく感じるロイドたちの乗ったケーキに見惚れちゃいました。このケーキ発売しませんか?

8ツ星になった篠原くんが決めた願い。紬ちゃんも張替先輩も、学長や柚葉さんだって参加できるってことで、彼らの《決闘》を見てみたい気持ちもありますが、総じて一言。ライアラ最高に面白かったです!


以上、ラノ感でした!