
著者 詠井晴佳 イラスト 萩森じあ
第17回小学館ライトノベル大賞受賞作!
少年の前に現れたのは自作のVRキャラ?
さまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ
青春ファンタジー、開幕!
少年の前に現れたのは自作のVRキャラ?
さまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ
青春ファンタジー、開幕!
あらすじ
19歳の成央の前に現れたのは、15歳の時に明澄俐乃のために作ったVRキャラ≪響來≫(ゆら)だった。響來の願いで再会する成央と俐乃。芸能人となった19歳の俐乃は輝きながらも、居場所を求め一人走り続けていた。その姿を見て、成央は15歳に置き去りにした感情を思い出す。保健室で見た「はじめて」。二人だけの甘い時間。そして、叶えられなかった約束。鮮明によみがえる憧れと葛藤の欠片たちが成央に突き刺さる。現実と理想に向き合う中、二人はやがて響來が現れた意味を知り――さまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ青春ファンタジー。(ガガガ文庫公式サイトより)
感想
さまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ青春ファンタジー! 19歳の専門学生・七曲成央が、15歳の時に同級生の明澄俐乃のために作ったVRキャラ≪響來≫と現実で出会い始まる、キャラクターと葛藤者が楽しめる作品でした。
パン屋でバイトをしている専門学生の七曲。自分の今のキャラを好きではないと思いながらも同じ日常を続けていた彼はある日、目の前にかつて自分が作った人気VRキャラ≪響來≫が現れます。
≪響來≫から何度も、≪響來≫を演じていた同級生で今は「童話ちゃん」としてブレイクしている明澄(ママ)に会わせろと言われ、4年ぶりに彼女に会うことにした七曲。
そんな≪響來≫と明澄を会わせた彼だったんだけど、≪響來≫が明澄の「童話ちゃん」としてのキャラを切ってしまうんですよね。始まっていく、キャラクター! キャラを失った2人はどう自分と向き合っていくのか。また、≪響來≫が現れた目的とは。
一緒にテーマパークへ出掛けたり、過去の日記を読んだりなど、かつて葛藤を詰め込み作ったキャラが目の前に現れた2人が、キャラを失い、4年前に止まってしまった憧れや葛藤と向き合い進み始めていく、理想と現実の間に揺れう少年少女の真なる葛藤が胸に刺さりました。
堕落してる。一年経ったら普通の人に成り下がって、それを平然と受け入れていた。変えなければ変わらない停滞するVRというキャラクターの言葉と、大人になるにつれに夢も憧れも閉じて、その場に適応していってしまう人間の差は考えさせられるものがあって。
2人がぶつかり出した答えとは。さまよえるキャラクターと葛藤が紡ぐ青春ファンタジーが楽しめる1冊でした。
以上、ラノ感でした!
レーベル | ガガガ文庫 |
ジャンル | 青春もの |
おすすめ度(評価) | ★★★☆☆ |
ページ数 | 342 |
発売日 | 2022年7月19日 |
章ごとにいろいろまとめてみた
更新予定です。
更新予定です。
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