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著者 鴉ぴえろ イラスト きさらぎゆり

私と生きてくれますか?
TVアニメ放送中
王宮百合ファンタジー第6巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

“ヴァンパイア”。婚約破棄騒動のすべての元凶にして、パレッティア王国の敵。その脅威がもう眼前に迫っていることを知ったアニスとユフィたちは、対策を急いでいた。そこに、東部から「ヴァンパイアを捕まえた」という急報が入る。駆け付けたアニスたちの前に、永遠を求めるヴァンパイアの長が出現し!?「私はライラナ。世界の全てを私が取り込むことで、永遠の平和を築くのよ!」「お前の言う幸福は、ただのエゴの押し付けだ!」竜を宿すもの(アニスフィア)&精霊契約者(ユフィリア)VS最強の吸血鬼(ライラナ)。人として生きる上での”幸福”とは何なのかを問う最終決戦が、今始まる! 王宮百合ファンタジー、未来を繋ぐ感動のクライマックス!

(ファンタジア文庫公式サイトより)

感想


前巻(5巻)のお話

前回の感想はこちらから

登場人物もまとめたりしているので、よかったらこちらも見て見てくださいね!




試し読みまでのお話

東部視察を終え、帰って来たアニスたち。ヴァンパイアのことを知ったアニスは、レイニの母親について調べに行くことに――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



ライラナ

さて今回はヴァンパイアと魔法な回でした!


東部視察を終え、帰って来たアニスたち。ヴァンパイアのことを知ったアニスは、レイニの頼みで、彼女の母親・ティリスについて調べに行くことに! 未だ謎に包まれている彼女の母親の死の真相。一体彼女は何者だったのか、気になりますよね!


さて、レイニ、ガッくん、ナヴルと孤児院に向かったアニス。そんなアニスたちは孤児院の院長から、不治の病を患っていたこと、レイニのために多額のお金を寄付し、レイニの受け入れが決まった後、すぐに亡くなったことを聞かされます


「病人に見えない、ねぇ……」
(47ページ 引用)


不治の病を患っているのに病人に見えなかったという院長。ヴァンパイアには日光とか十字架とか死や弱点にまつわる逸話はいろいろあるけど、レイニは日の下でも普通に生きてるし……、うーん。さて、冒険者たちにも聞いて、シアン男爵とのことを聞いたレイニ。


ギルド長にもなれたかもしれないほど強かった、ということを聞いた4人は、冒険者たちが、森がおかしい、魔物が少ないと言ったことで森を調べることに! 獣や鳥の気配がない奇妙な空間へ足を踏み入れていくアニスたち。


「さぁ、貴方たちも、私たちと一つになりましょう‼」
(101ページ 引用)


そんな彼女たちだったけど、そこに魔物を操るヴァンパイアが現れるんですよね! レイニをティリスだと母と間違うヴァンパイア。魔物を取り込むヴァンパイアはキメラになってもアニスたちを襲ってきます。


もちろんアニスたちはヴァンパイアを倒したわけだけど、魔物を取り込むヴァンパイアに「私は彼女とどれだけ違うと言えるのだろうか?」と考えてしまうアニス。魔薬や刻印紋を生み出してきた。戦う手段、命を弄んでいると考えたら彼女と一緒かもしれない。


こう考えてしまうのが、研究者なアニスらしいといえなくもないけど、やっぱり全然違うよね。人であることの証明とはかかれてるけど、倒したドラゴンにも黙祷を捧げるような少女が、手にした誰かを守る力、それを取り込むと一緒なんて、私は考えたくないよ。


「アニスは、きっと私を諦めないと信じていますから」
(135ページ 引用)


さて、ヴァンパイアを倒したアニスたち。場面は変わり、イリアと離宮にいたユフィは、イリアからこのまま残されてしまうのが、怖くないですかと告げられていました。アニスを信じていると返すユフィ。このシーン52ページでアニスもレイニから同じことを告げられていて。


そのときアニスは「ユフィのためなら何でもできる」と答えていたけど、やっぱりここだよね。まだイリアとレイニには葛藤がある。アニスとユフィは婚約騒動を経て、次期王としてぶつかって信頼し合った。ここが2人にはまだ足りていない。これからのイリアたちにも注目ですよ!


「私は安寧だけしかない世界では生きていけないから」
(259ページ 引用)


さてさて、イリアの話を聞いたユフィ。次の日、ユフィたちのもとへアルくんから『ヴァンパイアが逃げ込んできた』という緊急の報せが届きます。ここからはネタバレすぎるので言わないけど、魔法という奇跡を追い求めていたヴァンパイアとアニスの対比が良かったですね。


魔法の才能に優れたからこそ孤独だったライラナ、魔法の才能がなかったからこそ孤独だったアニス。ただアニスが変わったのはユフィたち大切な人がいたから。魔法が使えて、転生のことも全員が知っている“もしものような世界”。


そんな世界を見せられてもなお、精霊契約の真実を知っていてもなお、パレッティア王国の成り立ちを知ってもなお、苦しみだって、何かを生み出す力になれると言える。他人と触れ合い、ぶつかり合い強くなっていったアニスの想いに感動しましたよ。


「――私と生きてくれますか? これから気が遠くなりそうな長い時間も、私と一緒に」
「――誓うよ。貴方と一緒に生きて、飽きるまで生きて、終わりすらも一緒に選びたい」
(311ページ 引用)


ドラゴンになってしまったアニス。さて彼女はユフィたちとどう変革をもたらしていくのか、7巻も楽しみですね!


以上、ラノ感でした!