
著者 竹町 イラスト トマリ
『■■』の■■■が好きなんでしょ?
冷たく鋭い刃が氷を溶かす
不可能任務に挑むスパイ物語第7巻!
冷たく鋭い刃が氷を溶かす
不可能任務に挑むスパイ物語第7巻!
あらすじ
「この世界を壊していけばいいんだろう? ――汚れて醜い裏切り者として」 モニカの背反により半壊した『灯』は、真相を求めてフェンド連邦を駆ける。 これは窮地に追いやられた少女が、世界を敵に回す物語――。(ファンタジア文庫公式サイトより)
感想
前巻(6巻)のお話
フェンド連邦の防諜専門部隊『べリアス』のボス・『操り師』アメリに捕らえられたジビア。アメリがランの居場所を特定するため、ジビアに拷問する中、そこにクラウスが現れる。ティアが人質となったことで『べリアス』との共同捜査をすることになった『灯』。
そんな『べリアス』と、ランが出入りした痕跡がある場所の捜査を開始した『灯』だったが、『鳳』の壊滅を知ったクラウスたちは、真っ先にランと合流し、『べリアス』が『鳳』を襲っていたと知っていた。
自ら捕まりに行っていたジビア、アネットとティアが詐術を披露し、『鳳』を殺され、感情的になったクラウスは『べリアス』を蹂躙。『灯』が『蛇』との戦いに向け、コードネーム『炯眼』という切り札を投入したのもつかの間、『蛇』の最年少メンバー『翠蝶』により、モニカが『灯』を裏切ったのだった。
前回の感想はこちらから
登場人物をまとめたりもしているので、良かったらこちらも見て見てくださいね!
試し読みまでのお話
灯火を裏切ったモニカ。エルナ、ティア、アネットが負傷し、グレーテが行方不明になる中、クラウスはアメリと行動を開始し――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
焼尽のモニカ
さて今回はモニカと焼尽と恋慕な回でした!
『灯』を裏切って、翠蝶と行動を開始したモニカ! 『灯』のエースだった彼女は、男女間の恋愛が全てと教え込まれるという家庭環境で育ち、スパイ養成学校の成績優秀者たちの合同演習で『煽惑』のハイジに、心を灯せない奴はゴミだと言われて、手を抜くようになっていました!
「覚えておくといい。心に炎を灯せない奴は――この世界ではゴミだ」
(150ページ 『スパイ教室短編集01』より引用)
短編集01に載っていたモニカの過去! 『極上』という単語を使うラベンダーの少年はそのときには描かれていなかったけど(クラウス…じゃないよね…)、この7巻にも過去が改めて書かれてあって、モニカを形成するものはやっぱりこれなのかと実感しますよね。
そんなモニカは、手を抜き始めたことで「凍りつき使えなくなった刃」という揶揄も込められた『氷刃』というコードネームを与えられていて。ついに明かされたコードネームの付けられ方! こんなふうに与えられるんだってビックリした人も多いんじゃないかな。
「ボクはね、この秘密を誰にも明かさずに生きて、そして、そのまま死ぬんだよ」
(86ページ 引用)
そのモニカ、誰もがご存じ、ある少女を好きになっていました。ティアが見抜いていたその少女。なんとあのリリィだったんですよ! サラまでリリィをおっちょこちょいだと言う中、モニカはギードとの戦いを見て、好きになっていたそうなんです。
ただ彼女はリリィを好きになったことは絶対に言えない。なぜなら両親から何度もかけられた言葉があるから。“異性”と恋におちなさい。クラウスにも明かせない、本人にも明かせない恋情。彼女の過去がここまで重くのしかかってくるとは。
「――ダリン皇太子とミア局長を暗殺した人間の写真が載っているの!」
(91ページ 引用)
さて話は変わり、モニカの行方を追うため、3つに分かれ行動することにした『灯』! そんなクラウスたちはある新聞を目にしてしまいます。それはモニカが皇太子たちを暗殺した犯人だと写真付きの新聞だったんです。
翠蝶がやったのか、モニカが自分から?――いずれにせよモニカが狙われる。エルナと新聞社に飛び込んで編集長から情報を聞き出したクラウス。しかしクラウスたちの前にモニカが現れたんですよね! リリィを殺されたくなければと脅されていたモニカ。
キュールが裏切って『灯』のことを『翠蝶』に話していたことを知り、クラウスに『翠蝶』のことを気づいてもらえず1人、愛する人のため『翠蝶』と戦っていたモニカは、クラウスと戦い始めます。
「コードネーム『緋蛟』
――時間の限り愛し抱け」
――時間の限り愛し抱け」
(188ページ 引用)
ということで、ここからネタバレすぎるので言わないけど、ティアと連携し、空間内全てを見通す計算能力とヴィンドから伝授された『炮烙』のゲルデの神速で、『翠蝶』やCIMたちを翻弄する、『焼尽』モニカの戦いに胸が熱くなりました。
「コードネーム『氷刃』
――燃え華やぐ時間だ!」
――燃え華やぐ時間だ!」
(309ページ 引用)
誰とも分かち合えなくていい。全人類に恨まれようとも構わない。できる限り1人で過ごし、挫折を繰り返した、彼女の人生の答えともいえる詐術。リリィに聞術こえたか分からない、けれど、告げた言葉には感動しましたね。
新たに現れた『蛇』の『黒蟷螂』。クラウスとティアが拘束され、モニカは生死不明、エルナ、アネット、グレーテが重症の中、ついにサラが動くそうで! モニカに教わっていた彼女は、家計を助けるためにスパイになった彼女はどう戦うんでしょう、8巻、楽しみですね!
以上、ラノ感でした!
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