
著者 竹町 イラスト トマリ
エリートスパイVS落ちこぼれスパイ?
チーム―灯―に崩壊の危機が訪れる
不可能任務に挑むスパイ物語第5巻!
チーム―灯―に崩壊の危機が訪れる
不可能任務に挑むスパイ物語第5巻!
あらすじ
「寄越せ――お前たちのボスを」全スパイ養成学校のトップ6で編成された機関―鳳―はボス不在という問題を抱えていた。そこで目をつけたのは凄腕のスパイ、クラウスだった。チーム―灯―に崩壊の危機が訪れる――!(ファンタジア文庫公式サイトより)
感想
前巻(4巻)のお話
『紫蟻』拘束と『蛇』の情報収集のため、経済会議が行われている大都市ミータリオに潜入した『灯』。要人に接触していた実行班の3人は『紫蟻』の《働き蟻》と戦うことに。特殊班の加勢もあり、《働き蟻》を倒していくリリィたち。
しかし、マティルダの事件で、クラウスから指揮官を任されていたティアは自信を喪失していた。そんな彼女にリリィは《英雄の姿は、黒髪の美しい少女――そう言われているそうです》とアネット越しで伝える。
皆から励まされ、ローランドを開放し、憧れの『紅炉』を殺した『紫蟻』と接触して、『働き蟻』にかかっていた洗脳を解いたティア。ローランドが将軍蟻との戦いで命を落とす中、成長していたクラウスによって『灯』は『紫蟻』との激闘に勝利。
ティアはクラウスに最高のパートナーになりましょうと告げたのだった。
前回の感想はこちらから
登場人物をまとめたりもしているので、よかったらこちらも見て見てくださいね!
試し読みまでのお話
一人前のスパイとして認められたが、失敗ばかりしていたリリィたち。外部に漏れた機密文書の回収任務に挑んでいた「灯」は、全養成学校のトップ6で編成された新たなチーム、『鳳』との共同任務に挑むことになり――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
『愚人』と『鳳』
さて今回は《愚人》とエリートスパイチームな回でした!
全養成学校のトップ6で編成された新たなチーム『鳳』と共同任務に挑むことになった『灯』! 彼らの手際を見て実力を認めていたリリィたちは、卒業試験1位の『飛禽』のヴィンドから、燎火が『鳳』のボスになる交渉が終わったと告げられます。
「ようやく現れたんだ
――ワタシたちに相応しい、
新しいボス候補が」
――ワタシたちに相応しい、
新しいボス候補が」
(78ページ 引用)
8セカンドシーズン開幕からクラウスが奪われそうにリリィたちって…エルナの不幸が全員に? というのはさておき、養成学校のトップ集まっちゃいましたよ。受賞時のような養成学校での話や『蛇』側で現れるかな…と密かに思っていたけれど、落ちこぼれとは反対なエリートたちが出てきちゃいましたね。
さてそんなエリートくんたち。ボスの女性が亡くなってしまったらしくて、クラウスをボスに据えようとしてきます。だけど当然、リリィたちは『灯』を崩壊させたくない。そこで、引き継ぎ期間中に『鳳』よりも上だと示すことが出来たら、と交渉するんですよね。
『詐術とは――
自分の特技と最も相性がいい騙し方だ』
自分の特技と最も相性がいい騙し方だ』
(108ページ 引用)
『鳳』のメンバーの情報が得られていないリリィたち。そんな中、クラウスはヴィンドの要件を吞む条件として「灯」の未収得の技術を教わっていた、ある技を皆に伝えます。その名も「詐術」! 「ナイフ術×負けたフリ――反撃瞬殺」のように特技と騙しを掛け合わせる闘い方です。
一気にバトルものっぽくなってきましたね。ヴィンドから直接聞いたことを話しただけなので、教えるのが上手かったクラウスは…あれですが。詐術のことを聞いて、自分が輝く騙し方を探し始めることにした『灯』。
前回働き蟻との戦いでモニカから指導を受けていたサラは、まだ自分が落ちこぼれだと思っていることでモニカを怒らせてしまいます。エルナに誘われクラウスに挑もうとしていたサラ。そんなとき、サラはマフィアの用心棒の女性と戦うことになるんですよ。
「自分を囮にするなんて論外だ。
キミはキミが思っているほど弱くないよ」
キミはキミが思っているほど弱くないよ」
(165ページ 引用)
双子なことに気づき、弱い自分を囮にして勝利とはいかず、モニカに助けられたサラ。微妙と言われていたけど、成長してますよね。さてさて後半、「鳳」の他のメンバーも明らかになり、「鳳」との機密文書奪取戦及びクラウス争奪戦が始まっていきます!
かつて希望を与えてくれた『炮烙』ゲルデへの恩返しのため、クラウスに執着するヴィンドに対抗し、エルナを庇ったリリィ。そして明らかになるエルナの不幸。言い訳をつけ足すように、自ら事故を愛していった少女が『愚人』と名乗り始めた理由。
「エルナが傷つけば、
お姉ちゃんたちは
本気で怒ってくれるの……」
お姉ちゃんたちは
本気で怒ってくれるの……」
(322ページ 引用)
奪取戦は互いを認め合う形で終わっていて、『愚人』の意味も明らかになったけど、エルナが良い仲間と巡り会えて本当によかった。今回も面白かったで――と思ってページを捲ったら、目を疑いました。3人の誰が過酷な運命を辿るのか。6巻も楽しみですね!
以上、ラノ感でした!
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