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著者 二語十 イラスト うみぼうず

お客様の中に、
探偵の方はいらっしゃいませんか?
君塚たちの前に世界の敵が現れる
地上一万メートルの
上空で始まる新たな冒険劇!

目次1 ▯感想
2 ▯4巻まとめ

 

感想


前巻(3巻)のお話

夏凪、斎川、シャルと共に誘拐され、死の真相を知った君塚は、シエスタそっくりなアンドロイドから、映像の間違いを探すよう告げられる。

夏凪はヘルと過去と向き合い、斎川は両親の死の真相を受け入れて、シャルは本音と向き合い、君塚はシエスタから卒業。《調律者》だった風靡さんを3人と共に倒した君塚は、シエスタに「いつか俺はお前を生き返らせる!」と、叫んでいました。


試し読みまでのお話

風靡さんに呼び出された君塚たち。シャルと斎川がシードと闘うためのすべを身につけるため日本に残る中、シード討伐の手掛かりを得るため、ロンドンへと飛び立った夏凪と君塚は四年前の客室乗務員と再会し――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




《巫女》

さて今回は《巫女》と《名探偵》と世界の敵な回でした!


4年前と同じ客室乗務員のオリビアから「お客様の中に、探偵の方は――」と言われた君塚と夏凪。姿を消したという乗客・ミアを捜し、ホームズのような口ぶりでどや顔を披露して犯人を言い当てた夏凪は、巫女の使いだったオリビアの真意を見抜くように推理する。


「心のどこかでは、あたしたちと巫女を会わせたいと思っていた……もしくは、あたしたちが巫女に会うに値する存在であることを願って、この謎解きを通して試していた」
(58ページ 引用)


すべての未来を知っているという《調律者》の《巫女》ミア・ウィットロック! 彼女に会うために2人は、ロンドンの街を襲っている怪物《メデューサ》を倒すことになるんだけど、今回も探偵+バトルと日常シーンの落差というか、緊張感が全然違ってハラハラさせられました。


《ジャック・ザ・デビル》の五人目の被害者・ディジーの母親・ローズさんとの再会もあって。ヘルが伝えた娘の遺言「愛してる、マム」、君塚の隣にいると心臓の鼓動が早くなる理由を知った夏凪の想い。読み終わった後だとまた違った印象があって、胸に刺さりますよ。


拝啓 助手へ

コウモリにツッコまれる斎川。《巫女》に「未来を変える方法を教えてくれ」と言った君塚は、ミアの活躍でバスジャック犯を制圧。シエスタからの手紙を読み、《SPES》討伐のヒントを求めて、《SPES》が昔アジトとして利用していた島を目指していく――。


「君塚君彦――あなたが本当に世界の特異点になることを望むと言うのなら、あるいは」
(164ページ 引用)


コウモリにもツッコませる斎川ってすごい子なのでは? というのは置いといて。君塚に抱えられる《巫女》ちゃん可愛すぎません⁉ 上目遣いで「責任取ってよね?」は反則です! 《調律者》でまた登場することがほぼ確定してると思うので、今後も注目したいです。


『バカか、君は』で始まったシエスタの手紙。ほぼ漫才していて笑っちゃったけど、しっかりシードの情報もあって。読み終わった後の君塚の発言が「早き起きてこい、シエスタ」なのが良い! 探偵しているときよりも2人には、馬鹿な話を続けていってほしいですね。


アルベルト・コールマン

《SPES》の実験施設に辿り着き、病院にいるはずの人工知能《シエスタ》と出会った夏凪と君塚。ミアから「二十四時間以内にシードが日本に襲来する」という予言を聞いた2人は、シャルと斎川と合流し、世界の敵と交戦していく。

「世界の敵は、名探偵が倒す」
(297ページ 引用)


ここからはネタバレすぎるのであまり言わないけど、コウモリ(アルベルト)の戦う姿、最後の呟きがカッコよかったですね。シードの弱点を見つけだした君塚たち《名探偵》の遺産VS世界の敵シード。探偵代行の少女が《言霊》の力を使って戦いに挑む痛々しい姿。


探偵の使命を繋いだあたしの遺志はまた、次に戦う者へと受け継がれる。ある少女の手紙がぐっときました。君塚の前に現れた衝撃の少女。彼女とどうやって《SPES》と闘っていくのか。この作品は本当に先が読めません。


4巻まとめ


というわけで4巻の感想・レビュー?でした。

シード討伐の手掛かりを得るために、ロンドンへと飛んだ君塚たちは、飛行機で「お客様の中に、探偵の方はいらっしゃいませんか?」という言葉を聞いていましたね。オリビアたち《巫女》陣営からの試練を突破した君塚は《巫女》ミアのもとへと向かって。

ミアからシエスタが生き返る可能性は確かに存在すると言われ、シエスタからの手紙を読んだ君塚。夏凪と行った《SPES》の実験施設で、シードの弱点の仮説を立てた彼は、ミアからシードが日本に襲来すると言われて、始まっていく世界の敵との戦い。

君塚のフリをしていたシードと対峙し、斎川を守り抜き戦いに敗れ、君塚たちと別離の言葉を交わしたコウモリ。斎川がシードに捉えられ、シャルが致命傷を負い、探偵代行・夏凪が《言霊》の力を使いシードに戦いを挑んでラスト。夏凪を失い、ぬるま湯に浸っていた君塚の前に、シエスタが現れていました。

世界の敵が襲来する4巻! 《調律者》巫女からの試練と出会い、シードの弱点、シエスタの手紙、世界の敵との戦闘、など。勢いよく物語が展開される中、掛け合いに笑えて、バトルに夢中になり、ラストに感動する、何度も心が動かされ、終始ワクワクが止まりませんでした。

シード戦いでのコウモリの最後の戦いに挑んでいく姿はカッコよく、ラストは衝撃的で続きが気になります。この先何が起こるのか、先が読めません。今回も最高に面白かったです。ラストに彼女が出てきて、どうなっていくのか。5巻も楽しみですね。


以上、ラノ感でした!