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著者 野村美月 イラスト 竹岡美穂

本は読み手を、深く愛している。
本の声が聞こえる少年が想いを叶える
人と本のための物語。

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想
3 ▯章ごとにいろいろまとめてみた

 

あらすじ

本は読み手を、深く愛している。本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。とある駅の貸本コーナーで出会った1冊の児童書は“ハナちゃんのところに帰らないと”と切羽詰まった声で訴えていた。恋人の夜長姫(=本)に激しく嫉妬され、学園の王子様・姫倉先輩の依頼を解決しながら、“ハナちゃん”を探し当てるのだけれど……。健気な本たちの想いを、むすぶは叶えることができるのか!? 表題作・泉鏡花の『外科室』ほか、“本の味方!”榎木むすぶがさまざまな人と本の問題を解決する学園ビブリオミステリー登場!

(ファミ通文庫公式サイトより)

感想


本の声が聞こえる少年が人と本の問題を解決する物語。本の声が聞こえる榎木むすぶが、駅の貸本コーナーで出会った1冊の本や、売れ行きが気になっているラノベ作家、など、人と本の問題を解決していく、健気な本たちと本を愛する人たちの想いが楽しめる作品でした。

本の声が聞こえる少年・榎木むすぶ。彼は本が大好きで、本や本が好きな人の悩みを解決していく「本の味方」なんですよ。ハナちゃんのところへ帰りたい『長くつ下のピッピ』のためにハナちゃんを探したり、冒険がしたい『十五少年漂流記』のために無人島へ行ったり。

むすぶは、学園の王子様・姫倉悠人と協力して、本と人の問題を解決していくんですよね。5話ある中で一番好きだったのは第一話『長くつ下のピッピ』の幸せな幸せな日だったんですけど、この話はとても温かく切なくて。

上にも書いてある通り、ハナちゃんを探すことになるんですが、ハナちゃんは中学一年生のときに、駅のベンチに置いていってしまって、「ピッピさん」は駅の貸本コーナーでいろんな人に読まれてボロボロになってしまっていたんです。

『ハナちゃんはとても泣き虫で怖がりな女の子で――』 何度もハナちゃんとの思い出を話すピッピさん。しかし、ハナちゃんはある事情を抱えていて。この本自体がある人を想っている=その本が大切にされていた、愛していた証拠が見えて。

私も好きな本や大切な本があるので、それが物語として語られていて面白かったんですよね。むすぶには大切な彼女・「夜長姫」がいて。彼女も“本”なんですよ。浮気……許さない、嫉妬心が強い彼女とのちょっとしたコメディな会話もある、人と本をむすぶ温かい一冊。

『文学少女シリーズ』との関連性もあるので、作者や作品が好きだった方、人と本の問題を解決する温かい物語を読んでみたい方、よかったら読んでみてみて下さいね。同時発売の単行本があるそうだとか。最後の書店、気になりますね。



以上、ラノ感でした!

レーベル
ファミ通文庫
ジャンル
おすすめ度(評価)
★★★★☆
ページ数
352
発売日
2020年6月30日



章ごとにいろいろまとめてみた


むすぶ
悠人
夜長姫
妻科
若迫
(エ)ページ
第一話
×
×
92
第二話
×
×
×
34
第三話
×
76
第四話
×
×
44
第五話
×
×
98
合計
344

キャラは登場していて、
台詞があれば〇、なかったら×です。
(エ)はエッチな?シーンが
ある〇、ない×、微妙△です。
(管理人が思った通りに書いているので、
〇×△は多少の違いがあるかもです)