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著者 二語十 イラスト うみぼうず

完全無欠のシエスタがミスを犯した?
遺産の4人が抱えた課題を乗り越える
ジャンルごった煮な探偵活劇第3巻!

目次1 ▯感想
2 ▯3巻まとめ

 

感想


前巻(2巻)のお話

夏凪、斎川、シャルと共に誘拐され、シエスタとの過去の記録を見ることになった君塚。トイレの花子さん事件を解決し、切り裂きジャックの模倣犯《ケルベロス》と《SPES》の最高幹部・ヘルを追い詰め逃げられた2人は、記憶喪失の少女・アリシアを拾い探偵代行にする。

彼女の正体がヘルであることに気づいた君塚は、連れ去られたアリシアを助けに向かうも、《SPES》の親玉から《シード》であることと目的を告げられ、ヘルとの再び戦うことに。彼女に心臓を奪われたシエスタは、助手にある少女の名前を告げたのだった。


試し読みまでのお話

シエスタの死の真相を知った君塚たちの前に現れた生体アンドロイド・シエスタ。彼女は《名探偵》が世界を守る十二人の盾・《調律者》であることと、映像に隠された間違い探しをしていただきたいと告げてきて――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




間違い探し

「もう、ねー!」って感じ(語彙力)


分かる、分かっちゃう、そうなの、もう、ねー、なんです!(何を言っているのかわからない方は、「白上フブキ×夏色まつりが熱弁! 『探偵はもう、死んでいる。』第3巻、最速読書感想会!(完全版)」を見てみて下さい!)




さて、今回は調律者ともう一人のシエスタが出てきて、シエスタが犯したミスを探る回でした!


映像に隠された間違いを解き明かすことになった君塚と夏凪は、ヘルを呼び出すことに! 《七つ道具》手鏡と合わせ鏡と、リボンを外して当然のように鏡に現れたヘル。もう、1、2巻でいろんなことがありすぎて、この非現実すら驚かなくなっちゃいましたよ…。


「さあ、ボクに代わって語ってごらん
――ご主人様自身の物語を」
(72ページ 引用)


ヘル相手に趣味を聞いちゃう夏凪。純粋な彼女に、ヘルは「ボクを生み出したのはご主人様自身だ」と記憶を見せてきます。

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(『探偵はもう、死んでいる』公式Twitterより引用)


心臓の疾患で病院にいたナギサと、遊びに来てくれた悪友2人。その中にはなんとシエスタがいたんですよ。誰ですか、このちっちゃいシエスタ⁉


あーちゃん

しーちゃんというあだ名を嫌がったり、ベッドの下から首を出してきたり、なんだか可愛いシエスタ。

と、もう一人の悪友「あーちゃん」と、投薬実験や盗聴器を仕掛けてくる大人たちと戦うことにしたナギサ。だったんだけど、「あーちゃん」裏切っちゃうんですよ。

シードに《種》をねだって、記憶だけを奪えばいいんじゃないっていう「あーちゃん」。けどシエスタは気づいていたんですよね。

彼女が犠牲になろうとしていることに。2人は助けられず、彼女は《種》が適合しなくて亡くなってしまいます。そして彼女の名前が明らかになるんです。

アリシア


そう、アリシアだったんですよ。「あーちゃん」で、もしかして? って思ってたけど、もうね! 

別にアリシアも存在していて、亡くなったことでヘルが生まれて、《SPES》の一員になっていた夏凪。真実を知った彼女はヘルにこう言ったんです。

「あなたは、あたしを守るために
《SPES》の一員になった。そうでしょ?」
(119ページ 引用)


あたしを守るために、あなたは悪魔になった。施設の子供を追い出して(逃がして)、ロンドンで適合する心臓を探して。

やってることは滅茶苦茶だけど、アリシアの遺志も受け継いでいるんですよね。「貴方の罪はあたしも一緒に背負う」。この卒業は感動的でした。


プロローグ・エピローグ

さて、両親に不正経理疑惑が掛けられて、君塚にプロデューサーを頼んだ斎川の、最かわなアイドルな叫びがあって。

新キャラで《調律者》の吸血鬼・スカーレットが登場して、物語はさらに奥深く面白くなっていきます。

彼女が残した遺産である俺たち四人に、それぞれが抱えた課題を乗り越えさせる。夏凪は過去、斎川は真実、シャルは使命、そして俺は――死者。
(315ページ 引用)


ここからはネタバレすぎるのであまり言わないけど、吸血鬼の囁きに対する斎川の決断に締めつけられました。

シャルの過去と風靡さん、ロボシエスタの正体が明かされて、君塚も助手としての力を手にして。4人が課題を乗り越えて、成し遂げた卒業。

「バカか、君は」。君塚がシエスタに叫んで、新たな目標?も決まってどうなっていくんでしょう。これからの4人の戦いが待ち遠しいですね!


3巻まとめ


というわけで3巻の感想・レビュー?でした。

夏凪、斎川、シャルと共に誘拐され、死の真相を知った君塚は、シエスタそっくりなアンドロイドから、映像の間違いを探すよう告げられていましたね。

夏凪はヘルと過去と向き合い、斎川は両親の死の真相を受け入れて。シャルは本音と向き合い、君塚はシエスタから卒業してラスト。《調律者》だった風靡さんを3人と共に倒した君塚は、シエスタに「いつか俺はお前を生き返らせる!」と、叫んでいました。

シエスタが残した遺産である4人がそれぞれの課題を乗り越える3巻! 過去、真実、使命、死者。新たな存在や伏線、謎が語られる中、4人が課題と直面し乗り越えて想いを語り、叫ぶ姿に胸を打ちました。今回もすごく面白かったです。

君塚は力を得たことでどうなってしまうのか、そもそも彼は、他の《調律者》や――といろいろ気になります。4巻も楽しみです!


以上、ラノ感でした!