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著者 竹町 イラスト トマリ

『灯』最強の四人で暗殺者に挑もう?
選ばれた実力に不安の残る四人が
不可能任務に挑むスパイ物語第2巻!

目次1 ▯感想
2 ▯2巻まとめ

 

感想


前巻(1巻)のお話

スパイ養成学校の落ちこぼれだった少女たちは、不可能任務専門機関『灯』の一員として、共同生活を送ることになる。『僕を倒せ』 ボスのクラウスに降参と言わせるため、果敢に襲撃していた少女たち。そんなとき彼から、自国最強のスパイチーム『焔』が成し遂げられなかった、不可能任務の情報が告げられる。

作戦決行の日。『焔』の一員でクラウスの師匠・ギードの裏切りに遭った8人の少女は、ボスと不可能任務を成功させ、クラウスは師匠から『蛇』という正体不明のスパイチームと『守り抜け、今度こそ』と遺言を受け取り、絵を完成させたのだった。



試し読みまでのお話

スパイ殺し『屍』の排除の不可能任務に挑むことになった『灯』。生物兵器奪還任務の前にグレーテの裸を見てしまったクラウスは、変装のスペシャリストの彼女から、何故か好意を寄せられて?――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




実力に不安の残る四人

さて今回は愛娘と変装と恋愛感情な回でした!


不可能任務『暗殺者殺し』を告げられたクラウスは、「四人のメンバーを選抜する」と言い出します。当然、残った四人はお留守番。同じ実行班で、現時点で最も優秀な蒼銀髪の少女《氷刀》のモニカは確実。


「荷物をまとめろ。
グレーテ、リリィ、サラ、ジビアの
四人で翌日の汽車に乗れ」
(89ページ 引用)


そう考えたジビアとリリィは、サラと絶品の料理と、毒入り紅茶で仕留めようとするんです。もちろん、失敗しちゃうんですけどね! モニカのために、仲良くパフェを作り始めた3人。しかし、彼女たちが選ばれてしまいました。


モニカはポンコツ2人にマジギレ。パフェを持っていった後でこれって、可哀そうとしか、ね? ジビアは前回の不可能で右腕を負傷しているのに選ばれてしまっていて。『極上だ』のクラウスは何を考えているのか気になりますよ。


完璧なメイド?

さて、サラ以外の選ばれた3人は、メイドになって上院議員の警護をすることに! メイド長のオリヴィアさんは、前任者がなくなってから、巨大な屋敷を1人で管理していたそうで。完璧なメイドの仕事をこなして謙遜していたリリィは、ちょっと自重しましょう。


『屍』はすでにこの屋敷に潜伏しているかもしれない。クラウスに忠告されたリリィたちは、家主のウーヴェさんに振り回され続けていました。ジビアは雑巾の無駄と怒鳴られて、リリィは洗剤をまき散らして、グレーテは体調を崩して…これ大丈夫なの?


一方、サラは鷹のバーナードをサポートとして連れてきていて。前回、ギードに最初にやられて、登場回数も少なかった灰桃髪の少女《忘我》のアネットだけど、機械が得意ということが判明して。人気投票1位の2巻カバーガールは、どう動くんでしょうかね。


「その長女は、
凛然とした白髪の少女だったと思い出してな。
今なら、ちょうど貴様くらいの年齢か。
確か名前は――」
(130ページ 引用)


孤児院と書かれた報告書を見つけたジビアは、ウーヴェさんから『人食い』というギャングと、ある白髪の長女の話を聞かされます。ウーヴェを守る意義があると納得した彼女は、給料も全額、匿名で寄付していて。今後の彼女の過去は見逃せません。


《愛娘》のグレーテ

「それでも任務を達成して……
アナタの期待に応えられた時……
……一パーセントでも愛情を望むのは、
欲張りでしょうか……?」
(171ページ 引用)


さて、ジビアの活躍で解雇を免れることになり、ようやく暗殺者が動き始めます。ここからはネタバレすぎるので言いませんが、似た者同士だったかもしれない、皮肉なコードネームをつけた少女と、異次元の王子様と出会った少女の抱く愛情が良かったですね。


暗殺者の弟子を倒せ。ジビア、リリィが倒され、1人になった変装のスペシャリストが、コードネームを囁いて見せた痣。この世界でただ一人、素顔を褒めてくれた人に見せる表情と涙にはじんと来ました。


2巻まとめ


というわけで2巻の感想・レビュー?でした。

スパイ殺し『屍』の排除の任務に、クラウスは四人のメンバーを選抜すると告げていましたね。ジビア、リリィ、サラ、グレーテ。実力に不安の残る四人が選ばれて、メイドとして屋敷潜入して警護することになり始まる、暗殺者の弟子とのバトル。

世界最強は、隣にいない。ボスに変装していた少女は、生まれた時からの痣を見せ、この世界でただ一人、素顔褒めてくれた人の手柄を見て最後、性愛に応えられないと告白の返事を貰って抱き締められ。モニカがティアに銃口を突き付けていました。

変装のスペシャリストがスパイ殺しの弟子に挑む2巻。仕掛けに上手く騙される。似ていたかもしれない敵対する女性2人の恋愛感情が切なく、《愛娘》と名付けた少女の素顔と抱いた恋心には胸を撃たれました。今回も面白かったです。

『灯』の不穏な空気の中、人気投票1位で2巻のカバーを飾った少女は何をしてくるのか。3巻も楽しみですね。


以上、ラノ感でした!