
著者 上川景 イラスト TEDDY
メカデザイン 鷲尾直広
メカデザイン 鷲尾直広
全てを知ってしまった少女は
漆黒の機体で戦場を破壊する。
ミリタリックファンタジー第3巻!
漆黒の機体で戦場を破壊する。
ミリタリックファンタジー第3巻!
感想
前巻(2巻)のお話
「第二世代エクセリア試作機」を輸送することになったレインとエアは、新たな亡霊・デッドリムからの襲撃を受ける。彼女たちと一時休戦し、再度戦うことになったレインは、デッドリムの相棒であるイスナから、「カイセイ」という亡霊を生み出した可能性のある男性の名を告げられた後、「悪魔の弾丸」で彼を撃ち抜いたのだった。
試し読みまでのお話
悪魔の弾丸を使い再編成をしたエアとレインは、「第二世代エクセリア試作機」が敵国に奪われていたことを知ります。一方、アスリーはキルリリスの名が書かれた銀色の薬莢をじっと見ていたのでした。――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
カイセイ
さて今回はすべてを知ってしまった少女が、亡霊から少年を守るために戦況を変えていく回でした!
再編成したレインたちが防衛線をしている途中、敵国に奪われた「第二世代エクセリア試作機」の1機である「尖刃型」が出現してしまいます。強靭の黒い巨大なエクセリアの登場により戦況は一変。そんな中、レインは「尖刃型」の違和感に気付き時計塔に行くと、そこにはカイセイがいました。
前巻でデッドリムを操っていた謎多き男性が登場しちゃいましたよ! 1巻で登場していたイアンは彼の盾として殺されて、弾丸魔法はカイセイには当たらず。全てを知っているであろう男性、何をしたのか気になりますね。
アスリーと亡霊
さて前回はあんまり登場しなかったアスリーですが、今回は最重要キャラとして登場します。悪魔の弾丸を使用したことで再編成が分かる彼女は、風呂場でエアと出会います。反撃をして遊んで、ここまでは可愛い少女たちの触れ合いなんですが、核心の情報に迫れなかったアスリーは1つの質問をするんです。
「――レインと何をしているの」
(110ページより引用)
反応を見て、レインと何かをしていると確信を得た彼女は、真っ先に彼のもとへ向かいます。レインと合流して即席ペアを組んで、格納庫に向かい目的地へと進んだアスリー。寝ているレインをおいて少し進むと、そこには「尖刃型」とカイセイがいました。
カイセイにキルリリスのことを気づかれて、亡霊のことを教えられて、アスリーはエアのことまで教えられます。レインは違うんだと思って、銃を盗んで調べようとするけれど、彼もエアと同じ復讐対象であると分かってしまい逃亡しちゃう。何もかもを失って信じていた人まで、残酷な運命です。
壊れた少女
レインは逃亡してしまったアスリーのことを報告できずにいました。今回もネタバレすぎるので言いませんが、駐屯地?に敵国のエクセリアが現れて、一瞬にして殺戮されていく仲間たちのむごたらしさは考えものです。
「尖刃型」まで現れて、全てを知ってしまった少女と再会してむかえてしまう結末。作者さんがあとがきで書かれているけれど、「何が正しいのか最初から分かっていれば、後悔することもないのに」。少女が招いた行動は消した赤い亡霊と同じではないのか、彼女が失ったものは多かった気がします。
3巻まとめ
というわけで3巻の感想・レビュー?でした。
変わった世界では「エクセリア」が盗まれていましたね。亡霊の鍵を握る男性のカイセイが登場して、「尖刃型」が戦場に舞い降りて戦場が荒れ狂う中で、アスリーが全てを知って復讐の鬼と化してしまう。
進むしかなかった運命の縮図。全てを奪われた少女が、悩みぬいて掴んだ糸は濃く黒い赤だったのかもしれません。銀色の弾丸を使ってしまった少女が、悪魔と大切な人の秘密を知って叫ぶ、血にまみれた戦場の悲劇は面白かったです。
少女は優しい人間に戻れるのか。少年は弾丸で消滅を選ぶのか、死を選ぶのか。4巻も楽しみですね!
以上、ラノ感でした!
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