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著者 斉藤すず イラスト ryuga.

第25回電撃小説大賞受賞作!
客の来ない相談所に現れる運命?
ヒトと機械が想いで繋がっていく
遠くない未来の恋の物語。


目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想
3 ▯章ごとにいろいろまとめてみた

 

あらすじ

皆が選んだNo.1! 電撃大賞×カクヨム読者投票で圧倒的支持を得た感動作、遂に刊行!! 第25回電撃小説大賞《読者賞》受賞作。2023年の夏。僕は世間から逃げるように、鎌倉に「由比ガ浜機械修理相談所」を開いた。ほとんど客の来ない相談所。そこへある日、奇妙な男・戸川が訪れる。彼とともに現れた女性、それは人に近づきすぎた機械「TOWA」だった。戸川に手放され、居場所を失った彼女・結のため、僕は新たなオーナーを探し始める。突然はじまった共同生活。二人の時間を過ごすなかで、僕たちはお互いを大切に想うようになっていくが――。
(電撃文庫公式サイトより)


感想


ヒトと人間のような機械の恋の物語! ジャンルは恋愛ものですね。鎌倉に相談所を開いた主人公が、奇妙な男から人間らしい機械の少女を渡され、彼女のオーナーを探しながら互いに惹かれていく。切なく想いに満たされる作品でした。

主人公・若宮氷雨は、鎌倉に開いた「由比ガ浜機械修理相談所」で、ヒューマノイドの少女・結を引き取ります。新しいオーナーを探すことになった氷雨は、結と生活をしながらフリーマーケットサイトに登録して、立山という弁護士に手渡そうとしますが、彼の言葉で止めることにしました。

人間らしいヒューマノイド「TOWA」が、「赤」か「黒」、「15億」、「20億」とモノとしてしか思われていないと分かる言葉で、目の前で取引されている。人間の内面が見える状況に怖さを感じました。

結と過ごしていた氷雨は、近所にやって来ていた萌という名前の女の子と、3人で花火を見たり、海で遊んだりします。その後、彼はアンとヨネという名前の「TOWA」といたときのことを語り始めるんです。

志望動機欄に「TOWAを治せる人になりたい」と書いて、社長の菖蒲に本心を伝えて採用されて、彼女が壊れて戻ってくるまでの過去。アンと一緒に生活をして「いつでも帰ってきていいんだ」と伝えて別れた。だけど、帰ってきた彼女は無残な姿っていうのは胸が痛くなりますよね。

心が壊れてしまったけれど、ヨネと関わることになって、菖蒲と再会した後から繋がっていく結との関係。人間にしか見えない「モノ」や「商品」として見られていても、彼女たちを「ヒト」のように想っていた氷雨が、周囲の人たちに救われながら幻を受け入れて、気持ちを伝えたかった結という女性を愛していく。

人間のような機械な女性と人間の男性の、結ばれていく愛の物語に感動しました。面白かったです。彼女は願いを叶えてくれる素敵な魔女に出会えたんでしょう。王子さまとの幸せが、これからも永遠に誰かに届きますように。

最後に一文。
163ページの氷雨の台詞。こう言ってあげられる優しい人になりたいです。

「TOWAは今後、きっとその数を増やしていくと思います。でもその時に、彼女達が怪我をしてしまったような時に、彼女を治してあげられるような専門家って、きっと、足りなくなると思ったんです。だから、僕が、そうなれたらいいなって……」


以上、ラノ感でした!

レーベル
電撃の新文芸
ジャンル
恋愛もの
おすすめ度(評価)
★★★★★
ページ数
340
発売日
2019年8月17日


章ごとにいろいろまとめてみた


氷雨
菖蒲
戸川
(エ)ページ
第一章
×
×
×
36
第二章
×
×
×
36
第三章
×
×
×
16
第四章
×
×
×
28
第五章
×
×
30
第六章
×
×
×
66
第七章
×
×
×
26
第八章
×
×
×
18
第九章
×
×
26
第十章
×
×
28
第十一章
×
×
×
17
合計
329

キャラは登場していたら〇
登場していなかったら×です。
(エ)はエッチな?シーンが
ある〇、ない×、微妙△で
集計していますが今回はすべて×です。