
著者 さがら総 イラスト ももこ
湯けむり温泉で殺人事件⁉
作家と編集、才能と信念が飛び交う
年の差ラブコメ?第5巻!
作家と編集、才能と信念が飛び交う
年の差ラブコメ?第5巻!
5巻の簡単な内容!
前巻(4巻)のお話
前回は、星花が新人賞を受賞して売れっ子作家になりましたね。受賞者のヤヤにキャラクター作りのレクチャーをすることになって、墓堀りからつまらないと批判を受けて最後、初代担当と顔合わせした。ってところで終わりました。
試し読みまでのお話
新企画の取材で箱根温泉に来た天神とヤヤは、同行するはずだった初代担当が他の仕事で忙しいため、温泉街を回っていました。そんなとき、星花と冬燕が現れて⁉――というのが試し読みまでのお話。
5巻の個人的見どころ
①いがみ合う星花と冬燕
②志辺里さんの考え抜いた信念
③星花とヤヤの才能の差
②志辺里さんの考え抜いた信念
③星花とヤヤの才能の差
今回は凛やひらりなど塾の子たちは出てきません! 作家と編集者回です。
天神と一緒に作品を作る編集者の志辺里さんが心を痛め、最後にどんな決断をするのかに注目しながら、箱根温泉街で暴走する?星花と冬燕を楽しんで読んでみてくださいね。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
感想!
探偵ごっこと犯人
星花と冬燕は、天神先生が有休をとって箱根温泉に行くと知り、天神先生の所へ来てしまいました。2人して同じような嘘をついて、トランプをしながら旅行って、仲が悪いのか良いのかわかんないですね。
ヤヤの爆弾発言によって別れて再会した4人は、足湯の真ん中で浮かんでいた編集者の志辺里さんを見てしまいます。誰が彼女をやった犯人なのか、探偵ごっこをする3人、だけど彼女は生きていました。
「――あの人をやってしまったのは、
私だと思う」
私だと思う」
(88ページ 引用)
しかし後から、冬燕は「天神先生を探している途中で激しくぶつかった」、星花は「天神を発見したら連絡するようにお願いした」、ヤヤは「今回の件を事前に相談していた」と自首してくるんです。
ヤヤの相談は「貴方の編集者能力がヤヤにはわからない」と言ったりするなど、実質の絶縁宣言。もう精神的にダメージを与えているのでアウトですよね。だけど、誰も犯人ではないと分かります。
担当者Sの自殺
「あっあの違いますそういう意味ではなくて精神的な意味でその編集者としての自殺といいますか今回の事件の責任はすべて志辺里という人間にあります」
(113ページ 引用)
初代担当と直接話しあった志辺里さんは、「才能を殺す犯人はおまえだ」と言われて病んで?しまいます。
誰でもやったことを否定されると辛いけど、作家と作品を作っている編集者が、作家を殺していると言われたら、仕事でもメンタル強くないと折れちゃいそうですよね。志辺里さんのイラストが131ページにあるんだけど、目を見た瞬間にもう苦しくなりますよ。
天神先生は、彼女にこれからどんな話を書くべきか相談するんだけど、答えられないと言われて会話は終了。しかしラストで志辺里さんが出てきて、信念を話し始めます。
彼女は編集としては甘い覚悟の持ち主なのかもしれないですが、優しい人なんです。そのときの作品と作家に向ける涙は、私の言葉では伝えられません。
星花とヤヤ
同期デビューした星花とヤヤですが、売れているのは星花だけ。ヤヤはそんな彼女に「星花みたいに売れたかった」と妬み宣言するんです。
ここからは今回もネタバレすぎるので言いませんが、星花から話を聞いたヤヤが「理解できない」と言いながらも敵意を向けてラスト。
名前を隠してヤヤと書くことを決めた天神先生に、平手打ちしながら「嫌いだ」「ばかにするな」とつぶやく彼女のプライドと覚悟からの攻撃が沁みました。
才能、編集者、売り上げ。重く笑えない作家サイド。星花が次第に理解できなくなる中で、ヤヤはどんな活躍をしていくのか、天神先生はどんな答えを出すのか、今後も楽しみですね。
5巻まとめ!
というわけで5巻の感想・レビュー?でした。
ヤヤと取材で箱根温泉に行って、星花と冬燕に出会いましたね。足湯で倒れていた志辺里さんの犯人だと3人は自白して、シベリアンハスキーの弱点を見て、温泉を楽しんだ最後、天才を追いかける感情のない少女が感情を学び、天神先生にぶつけていました。
何を書いて売るのか。作家と編集が考え抜いて導き出す信念、凡才が天才を見て嫉妬して、ロリコンの嘘つきにプライドをぶつける。作家サイドの危険で重く想いな一面が楽しめました。今回も面白かったです。6巻も楽しみですね。
以上、ラノ感でした!
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