
著者 竹町 イラスト トマリ
では、一人クビにしてくれ
ランの就職先を見つけ出す
スパイ教室シリーズ、短編集第4弾!
ランの就職先を見つけ出す
スパイ教室シリーズ、短編集第4弾!
あらすじ
死亡率九割を超える”不可能任務”に挑む機関―灯―。フェンド連邦で経験した盟友の死と仲間の裏切りは、『灯』メンバーの心に大きな爪痕を残した。各々がスパイとして新たな道を探る中、同胞の死を前に新たな決意を抱く者がもう一人――。「拙者はもう働かないでござる!!」 突然の宣言。仲間を亡くし、急速にスパイとしての意欲を失ったランは、『灯』に寄生するニートと化していた! 陽炎パレスに居座り続けるランを追い出すため、メンバ―総出で彼女の再就職先探しを始めることになり……!? 『スパイ教室』シリーズ短編集第4弾! (ファンタジア文庫公式サイトより)
感想
前巻(短編集3巻)のお話
前回の感想はこちらから
登場人物をまとめたりしているので、よかったらこちらも見て見てくださいね。
『浮雲』と『聖樹』
さて今回はランと残されたものな回でした!
白蜘蛛や黒蟷螂との死闘を終えたモニカたち。スパイとして新たな道を探る中、『鳳』唯一の生き残りであるランは、陽炎パレスから出ていかず、『灯』にも入れず、だったら一人クビにしてくれと言い出して――。
今回の短編集はドラマガ掲載分4話と書き下ろし! 今回も初出載ってましたね。さて、そんなわけで(どんなわけで)短編集も4弾ですよ。
今回の短編集は残された人たちがメイン! 本編では9巻で何も語られずいなくなった少女の再就職先や、名前だけは明かされていた『鳳』メンバーの兄のことなど、今回も本編で明らかになっていなかった情報盛りだくさん?でしたね。
さてここからは1つ1つのネタバレ少なめで短めな?感想を。まずは1章の「case 養成学校」! ヴィンドから養成学校に帰れと課題を与えられていたリリィとサラは養成学校へ!
いや、スパイ教室ファンがめちゃくちゃ気になってる話を短編で出しちゃったよ! あとがきでも竹町先生が言ってるけど、文庫1冊分書ける内容じゃ…。ってことで養成学校に行ったリリィとサラ。
まず、ディン共和国に養成学校27か所もあったという事実がさらっと書かれてるんですが…。そりゃ、8人集まっても全然知らないはずだよ。アネットとエルナがあってたのが不思議なくらい。リリィの校長先生の名前も初出かな…。(あとでまとめてみたの方、更新しないと…)
そしてリリィですよ! いじめられてましたか…。戻ってきて「うわっ、最悪」って言われるのは相当だよ! どんなドジしてたんだ…。それでも培った技術で復讐して。ここのシーンでも書いてあるけど、クラウスから教わったことほとんどないのよね、リリィたちって。
教えるの下手だもん、変な比喩ばっかだもん。それでもこうして養成学校で教わった基礎を活かし、不可能任務を達成してる。すごいよ、やっぱり! あ、長くなっちゃった。これほんとに1巻分にしなくて良かったんですか、竹町先生!
さて2章の「case 他スパイチーム」ではファルマの兄『聖樹』ダグウィン登場! 兄の『聖樹』がいるってことだけは明らかになってたけど、まさか重度のシスコンの変態さんだったとは…。
初めて会った人に「余の新しい妹になれ」はもういかれてるとしか思えない! そんな変態だったけど、フィーネたちが再登場して、お兄ちゃん大忙し。「全力でお兄ちゃんを遂行する」とか言い出さないでよ?
3章の「case 諜報機関幹部」ではアメリとエルナが二人きりに! 最期まで自分の信念と正義を全うしたアメリだったけど、良い人ではあったよね…ね?
4章の「case スパイとは縁遠い世界」ではアネットがモニカに復讐を! 秘武器《失楽園》がモニカ打倒の武器だったなんて初耳なんですけど! どれだけモニカを恨んでたのさ…。
モニカはモニカで裏切ったことに対する責任を感じていて。クラウスをクラウス先生と呼んで「ごめんなさい」と素直に謝るモニカ。ここ挿絵があるんだけど、この表情とこの台詞は、1巻の自信溢れたときからは考えられない、破壊力がありましたよ。
最後はアネットとジビアの合わせ技で漏斗を鼻に入れられて、スペシャルドリンクを鼻から飲まされて…。想像しただけで、もう、ね?
5章の「NO TIME TO 退」では、ランの今後とダグウィンとクラウスと決闘が描かれて。受付の人ってやっぱりスパイだったんですね。
そりゃあ、『焰』や『灯』がいた陽炎パレスがどうやって、近隣住民や敵国のスパイにバレずにいたのか気になってたけど、この人たちの功績だったとは。
妹を殺されたダグウィンはクラウスに戦いを挑んで。クラウスは結果論って言ってるけど、もしあのとき『鳳』のボスになっていたら、結果は絶対変わってたよね。そのときはリリィたちが危ないけど、それはダグウィンにとっては別。
妹のファルマが助かればよかった。もっとしっかりしていれば、といってしまうダグウィンの辛さは、胸に刺さるものがありますよね。そして『鳳』の唯一の生き残りがついに決断!
「お願いします。自分を『巓』に加入させてください……!」
(300ページ 引用)
8巻のあとの彼女の行方が気になっていたけど、良い人と巡り会えて。彼女はこれから『鳳』の遺志も継ぎ、前へと進んでいけそうで、良かったですよ。
ということで短い感想でした。感想になってます? ランの就職先問題だった短編集第4弾! 今回もコメディ回が多かったですが、ランとダグウィン、『灯』、残された者の乗り越えて進みだす姿に、心揺さぶられました。
今度から『鳳』も出てこなくなっちゃうのかな…。寂しくなりますが、ランならやっていけるし、ヴィンドたちなら、アーディとあっちでも活躍していることでしょう。さて、離れて行動を始めた『灯』たち! まずはアネットとエルナの活躍を見たい! 10巻が楽しみです。
以上、ラノ感でした!
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