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著者 二語十 イラスト うみぼうず

あなたリルの使い魔になりなさい
これは、友人のために戦った
正義の味方の魔法少女の物語。

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

かつて二人の名探偵の助手だった俺・君塚君彦は、とある奇跡を叶えて日常という名の後日談に浸っていた。だがある日、世界平和を象徴する《聖還の儀》という式典で、人類の記憶に異変が起きていることが判明。俺たちは過去に乗り越えた災厄の記録を振り返り、検証を始めるのだが――「あなたリルの使い魔になりなさい」思い出されるのはかつてのもう一人のパートナーとの記憶。魔法少女・リローデッドとの短くも鮮烈な非日常。彼女と紡いだ物語の記憶はやがて、失われた世界の記録と交差していき……?これから語られるのは、世界に隠された謎に挑む探偵たちの冒険譚。そして――気高く果敢な、一人の正義の味方の話だ。

(MF文庫J公式サイトより)

感想


前巻(7巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

世界平和を象徴する《聖還の儀》という式典で、人類の記憶に異変が起きていることが判明し、ブルーノの書斎で記憶に関する手がかりを探っていた君塚。ヒントを得るため、君塚はリルとの昔話を語り始め――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



リリア・リンドグレーン

さて今回は《魔法少女》リローデッドな回でした!


過去に乗り越えた災厄の記録を振り返り、検証を始めた君塚たち。振り返るのはシエスタが眠りに着いてから3か月後。斎川の誕生日を祝った君塚は、リルと出会っていたんですよ! 妖怪たちが起こす怪奇現象《百鬼夜行》を封印していたリル。


「リルの使い魔になりなさい」
(47ページ 引用)


彼女に助けられた君塚は、彼女とパートナーになっていたんですよね。いや、驚きから始まり、驚きを残していた前回から、今回はリルとの冒険譚ですよ! ただこの物語、私たちは結末を知っているわけですよね。そう彼女は、リローデッドは二度と歩けなくなった


そんな彼女との冒険なんですよ! なぜ彼女がこうなったのか、君塚が7巻の252ページで感情を表に出して叫んだか、この叫びで私は泣いちゃったんだけど、気になりますよね! さて、クリスマスに夏凪と「俺をお前の助手にしてくれ」と言っていた君塚


「あーした天気になあれ!」
(84ページ 引用)


そんな君塚のクリスマスエピもあり、リルとの《百鬼夜行》との戦いが始まっていきます!《てるてる坊主》を封印した君塚たち。この封印前のリルの叫びが可愛かったんだけど、置いておくとして、リルと夏凪が君塚の部屋でぶつかる中、《名探偵》に使命が下されます。


それは吸血鬼の反乱を防ぐこと! 吸血鬼といったら、あのスカーレットだけど、この人の使命はなんと、同族を刈ることだったんですよね。《怪盗》アルセーヌの討伐でもなく、吸血鬼。君塚たちはいったいどこへ向かわされているんだろう…ね?


「今、あなたにとってのパートナーは誰ですか? 渚ですか? シエスタ様ですか? それとも魔法少女ですか?」
(112ページ 引用)


さて、シエスタの病室を訪れていた君塚! そんな君塚はノーチェスから、今の君塚は中途半端になっていると告げられちゃいます! リルと夏凪の2人に巻き込まれ、シエスタを目覚めさせようと足掻くわけでもなく彼女のもとへいってる。


これだけ見ると中途半端に見えちゃうよね。ノーチェスも言ってるけど、ほんと全てを抱え込んだら、両手から大切なものが零れ落ちてしまうわけで、誰のパートナーになるのか、君塚にはちゃんと決めて欲しいところ!


「その子を殺したのは、とある世界の敵。優秀な遺伝子を持つ生物を殺して喰らう、最悪の魔人。コードネームは《暴食》」
(141ページ 引用)


さてさて、リルとの待ち合わせ場所に行き、夏凪から新しい助手の大神さんを紹介され、へこんじゃった君塚。そんな君塚はリルから《調律者》になった理由を聞かされます。ここからはネタバレすぎるので言わないけど、リルはちゃんと魔法少女でしたね。


大切な親友であり、ライバルだった少女・フレイヤを、魔人に殺された。復讐のために《調律者》となり、痛覚を遮断する薬を服用した。復讐だとしても、目指したものは親友が喜んでいたアニメの、正義の味方の魔法少女・リローデッド


「……ぜんぶ、やりきっ、ちゃった」
(311ページ 引用)


「リローデッドは、大人になったから魔法少女を卒業したんだ」
(7巻 189ページ 引用)


自分のホームだった親友と競技に向かっていたあの場所で「魔法少女は、悪意の怪物になんて絶対負けない!」と仲間の力をかりて、怪物に立ち向かっていく、競技者リリアであり、魔法少女リローデッドの物語の最終回に涙が止まりませんでした。


《特異点》が君塚だけであることや、夏凪の言霊の真実、《大厄災》のことなども少し明らかになって。さぁ物語はどう進んでいくのか! 9巻は《吸血鬼》スカーレット編。今回も登場した彼はどんな最期を迎えるのか、9巻も楽しみですね!


以上、ラノ感でした!