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著者 西条陽 イラスト Re岳

私の気持ち、ずっと知ってたくせに!
大学生の少年は新たな恋で揺れ動く
不純で危険な恋愛物語、第5巻。

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

あれから二年。俺は逃げるように京都の大学へ進学し、鬱屈した生活を送っていた。だけど二人の女の子、遠野あきらと宮前しおり。そして、こんな俺すら受け入れる友人のおかげで、毎日は徐々に色づき始める。この心地よい男女グループがいつまでも続くように。今度は絶対に恋に堕ちないように……。それなのに。「逃げないでください、桐島さん! 私の気持ち、ずっと知ってたくせに!」 過去への悔恨と、新しい恋。狭間で揺れ動く波乱の大学生編、開幕。

(電撃文庫公式サイトより)

感想


前巻(4巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

早坂さんが橘さんに桐島を突き落としたことを思い出させ、早坂さんは転校、橘さんが中退して2年後。京都に逃げて大学生となった桐島は、2人の女の子と仲良くなっていて――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



大学生編

さて今回は大学生編と残像な回でした!


京都の大学へ進学していた桐島! 金髪カラコンの宮前さん、美人な女子大生バレー選手の遠野さん、アパートの隣室の福田くんたちと過ごしていた桐島はある日、福田くんから遠野さんのことが好きだと告白されます。


ということで始まってしまった大学生編! 前回は強制バッドエンドと、橘さんの妹さんと付き合っているという衝撃を残して終わったけど、友人にも恵まれて、高校生のことがなければ、わりといい大学生活を送っていましたね…。本当に2年前のことがなければ。


「宮前さん、また男たぶらかしてるよ」
(58ページ 引用)


さて、福田くんの恋を手伝うことに桐島。宮前さんの同級生が「また男たぶらかしてる」と言ったことで、宮前さんが関わるのをやめてしまい、彼女のことを何も知らなかったことに気づいた桐島は、彼女を助けることにするんですよね!


彼女のことを聞いて、「俺を頼ってくれ」「友達じゃないか」という桐島。この主人公ほど信用できない奴はいないんじゃないかって思うんだけど、こういうところなんだよね、桐島の良いところって。だから前の2人も、今の2人も…。


「え? 桐島、お前あんなことやっといて、また別の女とつるんでんの? いい加減にしろって」
(111ページ 引用)


さて、恋人を作ろうと思うと言い出した宮前さん! そんな彼女が悪い男に騙されそうになりながらも、遠野パンチでやり過ごした桐島たち。そんな4人は祇園祭へ。福田くんの恋を応援することにしていた桐島は、福田くんにバイト先で貰った浴衣を渡して、遠野さんと福田くんを2人きりにしようとします


ただ、遠野さんは桐島を追いかけてきてしまったんですよね。そう、彼女も桐島のことを好きだったから。なんとこのクズ主人公は、福田くんより前にコインランドリーで彼女と出会っていて。彼女のことを惚れさせていたんですよ。


「いませんよ! 橘みゆきなんて人、いません!」
(153ページ 引用)


そして、好きになりそうだと思って、ある子を橘みゆきとして、彼女役にしていたんです。桐島の近くにいるこんなことできる子なんて1人です。浜波さん、ツッコミ役の彼女です。ほんと登場させてくれてありがとうご――なにやってんの作者さん!


もう、浜波さんを解放させてあげましょうよ! また泥沼みせるの可哀想でしょ! なんで京都にいるのよ、この子…。吉見君と一緒にいてよ……。こんな変人と一緒にいないでよ………。ツッコミ役、共感役がいてくれるのは嬉しいんだけど、ね。


「友達ノート。ヤマメ荘に住んでいた人がつくったんだって。友だち百人つくるための極意が書かれてるらしいよ」
(176ページ 引用)


というわけで彼女が浜波さんだったことが分かったことで、ここからはネタバレすぎるので言わないけど、登場しちゃいましたね、あのノートが。やっちゃいましたね、あのノートを。これ、桐島が出来なくなってたからよかったけど、出来たらやってたよね。


ここで出したということは次回も、このノートが登場することでしょう。そして、遠野パンチが悪化してしまい、裁判沙汰に。謝って許してもらえたけど、ここまでやるなんて、ね? 遠野さんと付き合うことになった桐島は、あの少女と再会して。


「今から、お手伝いしてあげるね」
(286ページ 引用)


福田くんが次に好きになった子があの子でした。早坂さんでした。4巻で何も変わらず、解決してすらいないので、出てこないわけがないけれど、福田くんは柳先輩枠なんですかね? 早坂さんに処理してもらった桐島は、出来るようになって遠野さんと、と。


遠野さんは優しい彼女で、宮前さんとはあのノートをしちゃったけど、友達としてやっていけている、今度は福田くんという友人もいる。変わっていないけれど、変われる環境がある。今回はハッピーエンドでいいじゃないか――と思うことはできませんでした。


ラストがまた衝撃的な展開で――これ4人でバトルロイヤルでも始まるんですか? 京都まで追いかけてきちゃダメだよ! あの子も京都にやってきてしまい大学生編開幕、さて桐島はどうなっていくのか、6巻が楽しみすぎます。


以上、ラノ感でした!