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著者 竹町 イラスト トマリ

月はずっと真ん丸じゃん
鳳と灯がぶつかり、磨き合う
スパイ教室シリーズ、短編集第3弾!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

『飛禽』のヴィンドは、フェンド連邦の地で窮地に立たされていた。『べリアス』による襲撃、世界最高峰の力を誇る『黒蟷螂』との対峙。次々と仲間が倒れゆく中、彼の脳裏にあったのは『灯』と過ごした日々だった……

(ファンタジア文庫公式サイトより)

感想


前巻(短編集2巻)のお話

前回の感想はこちらから

登場人物をまとめたりしているので、よかったらこちらも見て見てくださいね。




『鳳』とフェニックス

さて今回は『鳳』のボスな回でした!


白蜘蛛や黒蟷螂との死闘を終えたモニカたち。時は遡り、フェンド連邦に立つまでの1か月、クラウスに挑んでいた『鳳』たちは、陽炎パレスを何度も訪れては惨敗し、ストーカー化していて――。


今回の短編集はドラマガ掲載分4話と書き下ろし! 前回、どこに掲載されていたのか分かんないって言ってた私だけど、今回載ってましたね(私のおかげ?)(←調子乗りすぎてます)。さて、そんなわけで(どんなわけで)短編集も3弾ですよ。


今回も短編集は『鳳』メイン! 本編では辛い過去を背負ってしまった少女のまだ明かされていなかった口上や、『鳳』メンバーの特技と、リリィのゴーホームと、今回も本編で明らかになっていなかった情報盛りだくさん?でしたね。


さてここからは1つ1つのネタバレ少なめで短めな?感想を。まずは1章の「caseファルマ」! ファルマと同じ養成学校出身だったサラは、ファルマに連れられ、エルナとアネットも一緒にロリコン議員と合コンすることに!


クラウスまで合コン参加してたのは思わず笑っちゃいました。グレーテに振り向かないのはもしかしてロリコンなせい――と一瞬、思っちゃいましたよ! そんなわけないんですけどね…。落ちこぼれで泣いていた少女に告げた言葉と、現状。サラは頑張り屋さんです。


2章の「case ラン」では特別合同演習の試験官のことを調べることに! モニカだけじゃなくて、ランやファルマも参加していたのは順位的に納得でしたね。まさかランとモニカがその時に会話していて、特訓と手を抜くという逆の道を進んでいたとは思いませんでしたが…。


モニカにもいたずらするなんて、ランは命がいくつあっても足りなそう…。3章の「case クノー」では『堕落論』というスパイ養成学校の退学者たちの活動が過激になる中、アネットが猫と戯れて。猫を改造しなかったアネットにホッとしました。


猫でもなにかあれば容赦なさそうですからね…。クノーが言った『血族』は今後本編でも語られそうだけど、いったい何なんでしょう! 殺人鬼だったクノーは「仲間のために死にたい」と言っていたけれど、彼の最期、本当に見事でしたよ。


4章の「case ビックス」ではグレーテが詐術を会得! 『鳳』のボス・アーディ亡き後、メンバーを引っ張り始めたヴィンド、それに対するビックスの変えるための立ち回りと、グレーテの変装が描かれていたんだけど、アーディがそこまで支えになっていたとは…。


ボスとして頼りないけれど、ボスだったんだよね。仲間を拒絶するヴィンド。従うしかないビックスたち。それを少し変える考えを見せたのは『灯』との邂逅が1つあると思うんだけど、ビックスもちゃんと裏から変えようと支えていてね? 『鳳』もいいチームですよ。


5章の「case キュール」では、『堕落論』との決戦が――。6章の「ハネムーン・レイカー」では『鳳』の最期が描かれて。ヴィンドが見ていた、仲間と笑い合う『灯』でもない、スパイを諦めた『堕落論』でもない『鳳』の姿。


「『鳳』は完全無欠のスパイチームだった」
(327ページ 引用)


『鳳』との青春と、ヴィンドたちが繋いでいって成功することができた任務。5巻から登場して『灯』とぶつかり、託していった、スパイチームである彼らの一面を知って、さらに『鳳』が好きになりました。


ということで短い感想でした。感想になってます? 「『鳳』ゴーホーム‼」が響いた短編集第3弾! 今回もコメディ回が多かったですが、エリートな彼らの活躍に、さらに彼らのことが好きになるほど、心揺さぶられました。


ランの受け入れ先は『灯』になるのか、はたまた、違うチームか。モニカに喧嘩を売るほどの彼女がいたら騒がしくなりそうだけど、どうなるんでしょうね…。9巻が楽しみです。


以上、ラノ感でした!