
著者 緒二葉 イラスト いちかわはる
たんじょーび、ママくる?
想夜歌のお誕生日にママは…
子育てラブコメ第2巻!
想夜歌のお誕生日にママは…
子育てラブコメ第2巻!
あらすじ
幼稚園では、保護者参加型の行事が定期的に行われる。親子遠足もその一つだ。両親の代わりにそれぞれ参加した響汰、澄は、子供たちとともに楽しいひとときを過ごす。一見喜んでいるように見える想夜歌だが、響汰は知っていた。大好きな母親と一緒に参加出来ず、とても寂しがっていることを。そんななか、間近に迫った想夜歌のお誕生日会。響汰は母親に参加するよう声を掛けるも、「仕事があるから」と一蹴されてしまう。想夜歌のために、何か出来ないかと悩む響汰。澄にも背中を押され、ある一手を打つ。子育てラブコメ第二弾!(ガガガ文庫公式サイトより)
感想
前巻(1巻)のお話
前回の感想はこちらから
試し読みまでのお話
親子遠足で想夜歌のために張り切っていた響汰。郁のため1品くらいはお弁当を作りたいと思っていた暁山さんは響汰に玉子焼きを教わることに――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
たんじょーび
さて今回は想夜歌のお誕生日と母親な回でした!
親子遠足の日が迫り、お弁当の具材を考えていた響汰。郁のため1品くらいはお弁当を作りたいと思っていた暁山さんは、勉強を教えてあげる代わりに、卵焼きの作り方を教えて欲しいと頼んできます。
前回、ピーラーも使えなかった暁山さんだったけど、玉子焼きも作れないとは…。郁も心配してて、ほんとに大丈夫なの? さて、昏本家で料理開始! 1回目の挑戦はもちろん真っ黒焦げに…。結局、1時間練習しても習得出来ていなかったんです。
「姉ちゃん、すごい!」
(40ページ 引用)
それでも郁は喜んでおいしいと食べてくれて。暁山さんはドヤ顔してたけど、この大切な人が喜んでくれる瞬間って嬉しくなりますよね。暁山さんだったら、それは当然、郁なんだもん。完璧な出来ではないけど、ドヤ顔くらいしちゃうよ…。
さて、遠足開始! の前日、母親が早く帰ってきます。ビール片手にする母に、つまみを用意する響汰は不機嫌で。母親だから心配してると言われるけど、「口だけでなく、行動で示してくれよ」そう言ってしまうんです。
「言ってあっただろ。
想夜歌の親子遠足だよ」
「ああ、仕事」
想夜歌の親子遠足だよ」
「ああ、仕事」
(53ページ 引用)
遠足をママと一緒に行きたい。想夜歌はそう思っているのに、母親が仕事で忙しくて、それを口に出せない。響汰はそんな想夜歌のためや、自分の母親としての思いもあり強く当たってしまう。仕事は自分たちのため、それも分かってる。けど少しは自分たちにも、と。挟まれてる響汰の思いが切ないですよ。
さて、遠足開始! お菓子とお弁当を持って公園に到着です。園児たちの乗るバスとは違うバスから降りた響汰は、一目散に想夜歌のもとへ。ただ、想夜歌はあってすぐ、「おかし!」とお菓子を要求してくるんですよね…。可哀想なお菓子なお兄ちゃん。
さてさて、スタンプラリーも写真撮影もして、お弁当も食べて、想夜歌ワールド全開な遠足を満喫した4人。想夜歌が柊さんたちに取られて、コーディネートされて最強になり、数日も買ってもらった服を着続けちゃう中、想夜歌の4歳の誕生日がせまってきます。
「……ママがいなくても、
そぉか、だいじょぶ」
そぉか、だいじょぶ」
(202ページ 引用)
ということで、ここからはネタバレすぎるので言わないけど、バーベキューで暁山さんの母親と会い、自分の母と比べてしまう、「誕生日、ママ来る?」と言われて即答できず、想夜歌にまで心配されちゃう響汰の思いが切なかったですね。
「想夜歌。
誕生日、本当におめでとう。
……大きくなったね」
誕生日、本当におめでとう。
……大きくなったね」
(264ページ 引用)
ママ友に助けられて、他の母親たちから母親のことをバカにされても、4人で立ち向かい、やってきた想夜歌の4歳の誕生日。母親と向き合った先にあった家族の抱擁にはグッとくるものがありました。
以上、ラノ感でした!
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