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著者 西条陽 イラスト Re岳

初めて、もうなにも残ってないよ
二番目同士で付き合う2人の
不純で危険な恋愛物語、第4巻。

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

共有のルールにおけるペナルティ。それは破った方が俺と別れることだった。だけど……。「今すぐ、桐島君と別れてよ」「……ごめん、できない」 これ以上はいけないと分かっていても、過熱していく感情は誰にも止められなくて。傷つくと、傷つけると分かっていても、取れない選択こそが愛で。もう引き返せない、泥沼の三角関係の行方は――。100%危険で、甘美で、不健全な三角関係恋物語。高校生編・完結。

(電撃文庫公式サイトより)

感想


前巻(3巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

橘さんとヤッてしまった桐島。2人の決めていた抜け駆けルールで、早坂さんが自分を選んだと認識しちゃう中、桐島は自業自得で何故か入院していて――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



高校生編完結

さて今回は高校生編完結と崩壊な回でした!


橘さんとヤッてしまった桐島! 旅行から帰って来て、早坂さんが『今すぐ、別れてよ』と泣き叫んで終わった前回から一変、桐島は病院にいました。どうやら2人の喧嘩を止めようとして躓いて、転び落ちたみたいで。浜波さんのツッコミがこれなんだけど…。


「お、お、お、お前が勝手に落ちて流血しただけじゃねぇか~‼」
(23ページ 引用)


もうね、その通りなのよ! 早坂さんが○○して「悲しみの向こうへ」流れる展開かと一瞬でも思ってしまったら、これですよ。何してんの桐島。さて、退院した桐島。もちろん気がかりなのは2人ですよね。あれから会っていなかった2人。


そしたらなんと、早坂さんが桐島と付き合っていと周囲に言っていたんです。クラスの認識は文化祭の件で桐島は橘さんと付き合っている、けど早坂さんは橘さんがルールを破ったからでもなく、桐島がわざとヤッて自分とのレールを作ったという認識らしいんですよ。


また良いように解釈して清楚って、○○用の動画まで作っちゃう早坂さん。もう、すでに壊れちゃってますよね…。それに対して橘さんはベタベタして、恋愛ノートもやってと。このとき桐島は2人に冷たくすると決めたのに流されていて、ね?


「早坂さんの初めて。
もうなにも残ってないよ」
(99ページ 引用)


橘さんと部室でしちゃいそうになって、早坂さんに見られて橘さんがトドメの一言を。早坂さんのほぼ目が死んじゃっているイラストを見た時は思わず「…うわぁ」と言っちゃうほどだったんだけど、これもう桐島がどっちか決めても早坂さんの心が歪みそうなのですが…。


さてさて、周りの目を気にしないために、ふたりとも破滅すればいいと言い出し、桐島に自分のスクール水着を着せ、公開キスをする早坂さん。橘さんも壊れそうになる中、あの男性がやってきてしまいます。


「今、橘ひかりは
俺と付き合っている」
(132ページ 引用)


ここからはネタバレすぎるので言わないけど、柳先輩が惨めすぎるよ。宣戦布告して、当然ムリで、3人が危険な状況の中、颯爽と現れて自己犠牲。さらには自分からではあるけど3人に挟まれにいってと。もうこの人を橘病から解放してはくれないかな…。


柳先輩の件で4人は恋人ローテをしちゃうんだけど、『ギブアップ・ゲーム』をやり出してしまって。相手のペアがやったことは自分たちもやらなきゃいけない。ギブアップしたら関係を持てなくなるというものなんだけど、正直にこれ片方が有利になっちゃうんだよね…。


「桐島くん、
『やめてくれ』っていってたよ。
私を選んでたんだよ」
(235ページ 引用)


男性どっちも相手を見続けて最後まで続けることができないから。それを多分あの子は笑っているし気づいてる。信じてたよなんて言ってるけど、怖いよね。そして同級生におぎゃり、弱い方を優先し揺れる主人公はクズすぎて目も当てられないけど、あの子ですよ。


彼女も彼女で、抜け駆けルールや桐島の行動で勘違いし、壊れてしまったんだろうけど、すでに欲望にとりつかれていて、普通じゃないけど普通に見れないよ。さらには、桐島が病院にいた理由、記憶を消してしまった少女が分かっての高校生編プツン。


浜波さんが今回もいい立ち位置にいてて良かったんだけど、大学生編突入からのラストがまた衝撃的な展開で――これ大学生編どうなるの? 挿絵は全員の目がもう死んでるよ? 2人とも何になっていてもおかしくないけど…。大学生編な5巻が楽しみすぎます。


以上、ラノ感でした!