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著者 四季大雅 イラスト 柳すえ

第16回小学館ライトノベル大賞受賞作!
だから僕は桜の花びらを集めた
ピアノ奏者と空白に痛みを感じる少年の
奇病で揺れる青春物語。

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想
3 ▯章ごとにいろいろまとめてみた

 

あらすじ

全身が塩に変わって崩れていく奇病“塩化病”。その病で母親を亡くした少年・三枝八雲は、ひとりの少女と出会う。天才的なピアノ奏者である少女の名は、五十嵐揺月。彼女のピアノに対する真摯さと、その繊細な指でいじめっ子の鼻をひねり上げる奔放さに、八雲は我知らず心惹かれていく。高校へと進学し、美しく成長した揺月はイタリアへ留学してしまう。彼女と自分との間にある圧倒的な差を痛感した八雲は、やがて小説を書き始める。揺月との再会はある日突然訪れた――それが自分の運命を大きく変えることを、彼はまだ知らなかった。

(ガガガ文庫公式サイトより)

感想


ピアノ奏者と空白に痛みを感じる少年の奇病で揺れる青春物語。全身が塩に変わって崩れていく奇病“塩化病”で母親を亡くした少年・三枝八雲が、天才的なピアノ奏者である少女・五十嵐揺月と出会い始まる、奇病と悲劇と涙が楽しめる作品でした。

全身が塩に変わって崩れていく奇病“塩化病”に母親が罹ってしまい、空白に痛みを感じるようになった八雲。空白を埋めるため桜の花びらを集めていた彼はある日、放課後の校庭でピアノの音色を耳にします。

天才的なピアノ奏者だった揺月のピアノに対する真摯さと奔放さに惹かれていき、彼女に母親との思い出話をして空白を埋めていくようになっていくも、母親が亡くなってしまった八雲。

そんな彼は、揺月との家出に「資格は僕にはない」と思ってしまい待合場所には行けず、揺月が11歳でプロデビューし、高校でイタリアに留学して会えなくなってしまうんですよね。始まっていく空白の時間。

空白を埋めるため、物語を集め始め、抗うつ剤を飲むようになり、幼馴染の清水が事故で足を失い、痛みが増す中、清水から「このままじゃ駄目だよ」と促され、揺月との差を感じ小説を書くようになった八雲は、揺月と再会しどうなっていくのか!

これは、涙で始まり、涙で終わる物語。奇病“塩化病”、揺月の母の暴力、影のような父、震災、友人の事故、物語化、美化する三流監督、etc。天才ピアノ奏者な少女と出会った少年の悲劇でありながらも、愛し、支えて、見届けていく、美しい物語に酔い涙しました。

高校卒業後の秋、揺月に呼ばれ、八雲はワルシャワに行くんだけど、あることで2人の人生は大きく変わってしまっていて。激烈な痛みを感じることになった少年を、彼女はどのように救っていくのか。

タイトルの言葉の意味にも注目してほしい。繊細で心揺れて余韻の残る、ピアノ奏者と空白に痛みを感じる少年の美しい物語が楽しめる1冊! きっと少年はこれから進んでいけるでしょう。もちろん、面白かったです。


PVがあるそうなので、良かったら見て見てくださいね!



以上、ラノ感でした!

レーベル
ガガガ文庫
ジャンル
感動もの
おすすめ度(評価)
★★★★☆
ページ数
328
発売日
2022年7月20日



章ごとにいろいろまとめてみた


更新予定です。