著者 二月公 イラスト さばみぞれ
推しの過剰摂取で絶体絶命!?
めくるの過去が明らかになる
声優ラジオの青春エンタメ第7巻!
めくるの過去が明らかになる
声優ラジオの青春エンタメ第7巻!
あらすじ
これは声優ファンの少女、藤井杏奈が、声優「柚日咲めくる」を認めるまでの物語。「自分より、ほかの声優の方が良い」ファン心が邪魔をして、オーディションで実力を発揮できないめくる。役を取りあわなくて良いラジオを主戦場にしてきたが、声優としての限界が見え始める。「いい加減、覚悟しないとダメなんだよ」 支え合ってきた相棒、花火の言葉にも動かされためくるは「声優ファン」を卒業するが、目からは輝きが失われて――。厳しくて口が悪くて、でも本当は誰より優しい。可愛い先輩のために夕陽とやすみも一肌脱ぎます! 隠しきれないめくるの青春声優ストーリー、NOW ON AIR!(電撃文庫公式サイトより)
感想
前巻(6巻)のお話
前回の感想はこちらから
登場人物をまとめたりもしているので、よかったらこちらも見て見てくださいね!
試し読みまでのお話
アルフェッカVSオリオンのライブ直前の舞台裏にいためくる。なぜ自分はこっちにいるんだろうとファン心に苛まれていためくるは、今までのことを思い出し――というのが試し読みまでのお話。
ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。
声優「柚日咲めくる」
さて今回はめくるちゃん回でした!(めくるちゃんが本当に可愛すぎたので、今回はいつも以上に長いです)
中学時代、同級生から勧められたアニメがきっかけで、声優ファンになっていためくるちゃん! 声優ラジオで聞いた「養成所」という単語を調べ、声優養成所のことを知っためくるちゃんは、親を説得してブルークラウンの養成所に通うことに!
「ここに通ったら、
声優になれるってこと?」
声優になれるってこと?」
(25ページ 引用)
まず、言わせて。めくるちゃんにアニメを教えた同級生の子、グッジョブ! こんな声優ファンな可愛い声優さんそんなにいないよ! それくらい教えてもらったアニメが面白かったんだろうけれど、もうめくるちゃんファンからしたら、これ知れただけでも嬉しいよね!
…話を戻して、ブルークラウンを受けためくるちゃん。だけど、その理由は声優になれると思っていなかったからでした。ブルークラウンといえば、夕陽や高橋ちゃんもいる大手。声優を知ってるからではなく、声優になれると思ってなかったからってね…意外だったかも。
「こんにちは。君、かわいいねえ。学生さん? あ、あたし中島美咲。よろしくねー」
(27ページ 引用)
さて、養成所に通うことにしためくるちゃん! そこで彼女は相方となる花火と出会います! 花火の本名も初かな? 中島美咲っていうらしいです。まぁそれは置いといて、2人は、同期の中で最も評価されてて、オーディションも合格しちゃうんですよね。
めくるちゃんからしたら思いもよらないこと。声優ファンで、選んだ理由もあれだったからね…ビックリしちゃうよ。そして、本名ではなく芸名で活動していくことに。この柚日咲めくるって芸名は事務所側が決めたらしくて。自分たちでは決められないよね…。
月並みな表現をすると、現実はそんなに甘くはなかった。
(45ページ 引用)
ということで、柚日咲めくるとして活動し始めためくるちゃん! そんな彼女のデビュー作は『カラメル高校プリン部の栄光』の生徒B役でした。それから役もとれず、ガヤとモブをこなし、自宅とスタジオを4時間かけてずっとやってたそうなんですよね…。
花火もオーディションは受かっていなくて。やっぱり最初から成功する人は少ないって、こっちまで身に染みてくるよ。そんな中、めくるちゃんに事件が! あるオーディションで彼女は推し声優が同じ役を受けることを知って、彼女の方が相応しいと思っちゃうんです。
「ラジオが――、
わたしの活きる道だ」
わたしの活きる道だ」
(71ページ 引用)
高橋ちゃんのときもそうだったけど、ファン心もあるめくるちゃんだからこそ、ね。また複雑になっちゃうよ。ただそんなときにめくるちゃんに転機が訪れます。代役で生配信に呼ばれ、そこであの大野さんと出会い、ラジオが自分の活躍できる場所だと気づくんです!
めくるちゃんも大野さんが関わっていたとはね…。ほんとこの人見る目すごいよ。声優を活かす声優を目指すと決め、花火とラジオをスタートさせていっためくるちゃん。声優ファンであり、声優な彼女の始まりも辛いことから。
まだまだ見えない努力も苦労もあるだろうけど、これも現実に存在するんだよね。そしてこれよりもっと過酷な道も。この作品を読んでると、険しい一握りの世界なんだと、それでも彼らは夢のために挑んでいるんだと、考えさせられますよ。
「春日を演じる人は、
もっと別の声優がよかったんじゃないかって」
もっと別の声優がよかったんじゃないかって」
(87ページ 引用)
さて、過去編は終わり、担当が成瀬さんに代わって、めくるちゃんたちも『ティアラ☆スターズ』に。ただめくるちゃん、このときも「わたしがやってよかったのか」と悩んでたんですよね…。成瀬さんの貢献とはいえ、めくるちゃん以外に、って考えるとだけどね?
私よりもと考えちゃうめくるちゃん。この悩みをちょっとでも変えられたらね…。さてさて、ミラクとアルタイルのメンバーに分かれて、練習し始めていためくるちゃんたち! そんなとき、めくるちゃんは成瀬さんに呼ばれます。
「オーディションに
必死になれないことを、
良しとする理由にはなりません」
必死になれないことを、
良しとする理由にはなりません」
(107ページ 引用)
内容はオーディションのこと。成瀬さんは実力を認めながらも、オーディションに前向きではないめくるちゃんに現実を突きつけちゃうんですよね…。あの6巻の裏でこんなことがあったなんて。やすみと飾莉をサポートしていたところが見えていた分、さらに、ね。
ただ、そんなすぐ後、めくるちゃんは、夕陽に相談に乗ってほしいと言われて、やすみ直伝のファン対応で目を回しちゃうんです。グルグルになっちゃうめくるちゃん。歌種のやつって思いながらも、ありがとうって思っちゃうのが完全にファンですよね。うん、可愛い。
「あのラジオがある限り、彼女たちと一緒に仕事ができる。同じ業界にいられる。みんな幸せになれる。それがめくるの願いだったね。『声優を活かす声優』。めくるの理想」
(164ページ 引用)
さて、リーダーについて夕陽に訊かれためくるちゃん! やすみに苛立っている飾莉にもアドバイスした彼女は、成瀬さんからアニメ放送終了からも200回以上、ずっと続けていた『十人のアイドル』のラジオの終了を告げられます。
ここからはネタバレすぎるので言わないけど、先輩で、目を回しちゃって、ファンモードになっちゃう、悩んで、間違って、あわあわして、後輩思いで、ほんとこの巻にはめくるちゃんの全てが詰まっていた!
「わたしはもう、ファンをやめる。卒業だよ。柚日咲めくるとして生きる。声優ごっこは、もうおしまい」
(233ページ 引用)
声優ファンだからこそ、声優を活かして、皆が幸せになるという目標を掲げていた彼女にとって、新人声優だらけで今活躍していない声優もいる『十人のアイドル』というアニメのラジオは特別で。それが無くなることは辛いという言葉だけでは説明できないもので。
そんな状況を支えた相方の言葉と、先輩の目標にはグッときましたね。自分の楽しみを声優ファンであることまでも殺してしまっためくるちゃん。そんなめくるちゃんを元に戻してくれたのはやっぱり花火であり、推しだったんだけど、声優ファンじゃないめくるちゃんはらしくない!
気合を入れなおした、めくるちゃんはどう前に進んでいくのか! 8巻はアルフェッカVSオリオン編かな? 乙女さんもやすみの力に少し恐怖感を抱いているそうで。やすみと夕陽が組んで、どうアルフェッカに対抗していくのか、楽しみですね!(めちゃくちゃ、長くなっちゃった…)
以上、ラノ感でした!
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