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著者 佐野しなの イラスト あるみっく

俺のほうが先に好きだったのに。
好きな人に好きな人ができたら…
間違いだらけの青春ラブコメ第2巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

「私のほうが先に好きだったんだもん……」 突然の告白。あのときの小麦は俺が知らない顔をしていた。クールで誠実な普段の小麦とは違う、感情むき出しで必死な、ごく普通の女の子。だけど、そんな風に見えたから、俺は“そのあと"の出来事に抵抗できなかった。できるはずがなかった。鳩尾さんには絶対言えない。だって俺はもう鳩尾さんの彼氏で、鳩尾さんを“好き"だと決めたんだから。なのに――「しないわ。私からは。……玄から、して」 俺は、どうしたらいい。抵抗不能。泥沼はより深く。青春泥沼トライアングル、転落の第2巻。

(GA文庫公式サイトより)

感想


前巻(1巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

小麦のことを忘れるため、鳩尾さんと付き合い始めた玄。鳩尾さんがクラスラインにイチャイチャメッセージをわざと投稿する中、小麦が「三日間だけ、私の彼氏になって」と言い出して――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



友情と恋愛と泥沼

さて今回は3日間の恋人ごっこと泥沼トライアングルな回でした!


小麦から「三日間だけ、私の彼氏になって」と告げられ、3日間の恋人ごっこを始めた玄! 鳩尾さんとの関係に悩む中、最終日、玄は小麦から部室に来るよう呼び出されます。小麦にキスされた場所だと思い出しちゃった玄。そんな玄はまたキスされちゃうんですよ。


「しないわ。私からは。
……玄から、して」
(?ページ 引用)


ここのシーン、小麦視点なんだけど、玄の鳩尾さんへの見えないけど感じる罪悪感と、私を意識してほしいといたずらっぽく、玄からしてと言いつつ、自分からしちゃうのが良くって。これが玄視点だったらね…もうどんな心の戦いが行われていたのか…。


玄がいなくなってから写真の裏に気持ちを書いて閉じ込めた小麦。ここからいつもの日常が始って――と思いきや、小麦にモテ期がやってきちゃいます。どうやら玄が鳩尾さんと付き合えるなら俺も、と体育祭の小麦とのペアダンス枠を狙う人達が多いらしく――。


「だとしても、私が相手を好きじゃなかったら、意味がないでしょ。……もういいわ、こういう話好きじゃないんだったら」
(?ページ 引用)


こういうのってどこもあるけど、好きな人じゃないと迷惑で反射的に振っちゃう気が…。さて、ペアダンスがあるなら当然、玄と鳩尾さんも参加! と思ったら報道部は体育祭の実況を担当するみたい。解説役と実況役で2人必要だから玄が実況担当に。


余っちゃった小麦。だけど玄がペアダンスに絶対出ないとは限らないだろ?と言っちゃうんですよね。鳩尾さんを不安にさせたくないから出た言葉がこれって、ね? さてさて、いろいろ知っちゃっている鳩尾さん。

「元カノさんとしたこと全部、
わたしとしよ?」
(?ページ 引用)


自分の恋心にも気づいてしまった鳩尾さんは、小麦と並ぶため、玄に元カノのことを聞いちゃいます。計算高く距離を詰めて、マーキングしちゃって――3人とも恋と友情どちらも悪循環な気が…。さてさて、姉に二股野郎といわれた玄。


「加二釜さんに
彼氏ができたんだって!」
(?ページ 引用)


姉に幼い頃の写真を見せられ、鳩尾さんとあっていたことを知る中、鳩尾さんに写真を見せられ、わたしのほうが先にと言われた小麦になぜか彼氏ができちゃいます。ということでここからはネタバレすぎるので言いませんが、彼氏役の稲田くんが可哀想でしたね。


脅しと勘違いされちゃうほど、好きな子と近づくラッキーシーンに巡りあう確率高い子だけど、ストーカーちゃんにも良い子と思われるぐらい、気遣い屋で真面目で、親切で。だからこそ、小麦と付き合えたんだけど、最後にね…。ほんと稲田くんいい人でした。


小麦に彼氏ができたことで、玄は小麦のことをさらに考えるようになり、鳩尾さんは2人のことで悩んで、小麦は付き合っても一緒にいたいと思えず、玄のことばっかりで、自爆して必死で嘘を押し通して、文化祭が終わり、守ろうとしていた親友関係も、と。


――――俺の方が先に好きだったのに、なんて。
(?ページ 引用)


恋愛に友情に揺れて、拗れて、迷って、壊れちゃって、最後に残ったものに縋って。さぁ――っ、どうなる――っ、恋の行く末――っ! って作者さんもあとがきでいってるけど、この泥沼化した三角関係はどうなっちゃうんでしょうね。玄がどっちを選ぶのか、3巻も楽しみです。


以上、ラノ感でした!