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著者 紙城境介 イラスト 木鈴カケル

あいつらは結局、なんだったんだ?
妹から幸せと大事な人たちを守る
異世界転生ファンタジー開幕!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

俺がジャック・リーバーとして転生し、同じく転生していた妹との死闘から8年。ヴィッキー率いる『真紅の猫』との事件後も、俺はラケルの指導の下で精霊術に磨きをかけていた。そして遂に、リーバー家に一人の使者がやってくる。王立精霊術学院――才能・努力・天運、己の全てを賭けて同世代の神童たちと鎬を削る、弱肉強食の世界への招待状を携えて。いいだろう、やってやるさ。最高の環境でさらなる力を身につけ、もう何も失うことのないように。転生しただけの凡才が、それでも最強だってことを、本物の天才どもに証明してやる! 神童が集う待望の第2巻! ――戦え。ただ一つのために、他全てを捨てることになっても。

(MF文庫J公式サイトより)

感想


前巻(1巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

『真紅の猫』を壊滅に追いやったジャック。1年が経ち王立精霊術学院の実力試験を受けることなったジャックは、『本霊憑き』であることがばれないようにしながら、天才たちと戦うことになり――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



王立精霊術学院

さて今回は王立精霊術学院とビフロンスな回でした!


王立精霊術学院の2級試験に合格したジャック。フィリーネが諜報科Aクラスに所属することになる中、ジャックは試験に合格した神童たちと同じクラスに! ヴィッキーよりも強い子たちとの学院生活、妹とどう関わってくるのか、気になりますよね。


教室に集まった戦闘科Sクラスの面々。そこには着替えをしていたところを見てしまったアゼレアや、同じ2級を受けた天才王子で『本霊憑き』エルヴィスが! ラケルが副担任になり、学院長が担任となって始まっていくオリエンテーション。


「授業よりも遥かに大きなウエイトを占める、『級位戦』システムについてな!」
(118ページ 引用)


どうやらこの学院、級位戦というリーグ戦があるらしくて。年に二期、リーグ戦で勝率7割をしたら昇格、1級で昇格条件を満たしたら初段獲得、精霊術師ギルドに正会員として認められる証を貰えるそうなんですよ!


卒業できるのは1割。ジャックは2級からなので、早ければ1年で卒業できるんだけど、それでもそのさらに1割しか精霊術師として活動できないって、狭き道なんですね…。うん、ここまで妹が出てきてなくて、『級位戦』よりも怖さが…。


ほとんどの戦闘科の生徒は、
諜報科や支援課の生徒と
協力関係を結んでいる。
(167ページ 引用)


さて、懇親会も終わり、『級位戦』スタート! だけど、1回戦目にしてクラスメイトの2人、ガウェインとルビーが対決することになって、ルビーがすぐに負けちゃうんですよね。相性や運だというアゼレア。しかしこの学院は当然そんな甘くはなかった。


闘技場に集まっている観客のほとんどが諜報科の生徒。そう、この級位戦は情報戦だったんですよ。それを分かっていたジャックはすでに、フィリーネと組んでいて。懇親会、すごく楽しかったのよ? という2人の戦いが終わった後の控室でのアゼレアの言葉が、またね?


普通の学院ではないっていうのを思い知らされるようで、こっちも辛くなりましたよ。さてさて、『本霊憑き』であることがばれないようにしながら、級位戦に勝利していくジャック。同じ2級に合格したエルヴィスを倒すため、彼はエルヴィスの精霊術について調べ始めます

「――『ビフロンス』」
(317ページ 引用)


ここからはネタバレすぎるので言わないけれど、懇親会の思い出を引きずる純粋なアゼレアの心情が良かったんですよ。誰よりも強くなりたいと願う2人の少年の戦いは王道のバトルで熱くて。明らかになった彼女の通り名。


いつ妹が出てきてもおかしくないという緊迫感があった分、今回は少しもの足りない部分もあったんですが、彼らがどう学院で戦い卒業していくのか。サイコホラーから王道な異能学園バトルになったジャックの日常がどう壊されていくのか、次回が楽しみですね。


以上、ラノ感でした!