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著者 二月公 イラスト さばみぞれ

天才後輩声優登場?
大混乱な現場で夕陽とやすみが共演する
声優ラジオの青春エンタメ第5巻!


目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

「またまた共演が決まりました~!」「もう、運命の相手って感じ(笑)」 夕陽とやすみ再びの共演で、闘志に燃えて臨んだ新作アニメの収録。けれど、カツカツの収録予定に、土壇場での台本変更と、現場は大混乱! さらに、メインヒロインに抜擢された天才後輩声優・結衣の存在が、ふたりの焦りに拍車をかけて――この現場、ほんとに大丈夫!?「だけどわたしにはあなたがいる、半人前でも揃えば多少はマシになるわ」 お仕事だから、大人にならなきゃってわかってる。でも一緒なら少しだけ、無茶しても良いかな? 割り切れないふたりの青春声優ストーリー・第5弾!

(電撃文庫公式サイトより)

感想


前巻(4巻)のお話

前回のお話はこちらから

登場人物をまとめたりもしているので、良かったらこちらも見て見てくださいね!





試し読みまでのお話

『ティアラ☆スターズ』と『魔女見習いのマショナさん』で再び共演することになった夕陽とやすみ。進路に悩んでいたやすみは、ファントムの最終回の夕陽の演技に見せつけられて――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



高橋結衣

さて今回は進路と天才後輩声優とドタバタ現場な回でした!


クラス替えで同じクラスになった夕陽とやすみ! やすみがめくるに押して引いてみる新たなちょっかい方法でからかい悶えさせる中、コ―コーセーラジオにゲストがやってきます。名前は高橋結衣。夕陽のファンでブルークラウン所属な後輩声優ちゃんです!


「はい。夕陽先輩、嘘つかない。ついたことない。だから高橋と遊べない。いいです」
(106ページ 引用)


夕陽せんぱーいと元気にまとわりついてくる高橋ちゃんに夕陽は、嘘までついて必死に抵抗。この子を見てすぐに隠れようとするほどですからね…何度もやられてるのが目に浮かぶようですよ。高橋ちゃんもほぼ洗脳されちゃってて、夕陽のこと大好きなんですね…。


さてそんな高橋ちゃん、2人が再び共演することになったアニメ『魔女見習いのマショナさん』の主人公役に選ばれて、ラジオのゲストとしてやってきていました。彼女にとっては初主演。しかも憧れで恩人でもある先輩と一緒にいるんだから、いつも以上に元気いっぱい。


だけど、この現場は修羅場だったんですよ! 速度重視のアニメ化で原作のストックがなくオリジナル展開、原作者は原作では男性が出てこないのに、男性キャラを発表され我慢の限界を迎え、監督は心が折れ、展開が決まっていなくて、脚本変更もあり、作画無し。


「……なら、成瀬さん。正直に、答えてください。もし今、私と高橋さんが『幻影機兵ファントム』のオーディションを受けたとしたら。今でも、わたしが選ばれると思いますか」
(155ページ 引用)


こんな現場でアフレコ開始! そんな中2人は高橋ちゃんの演技に衝撃を受けます。なぜなら彼女は夕陽や大野さんの演技のコピーしている天才だったからなんですよ。しかも夕陽の演技に関しては夕陽よりも上手かったんです。


アフレコが終わり、夕陽は海にダイブして雄叫びをあげていました。懐いてくる後輩に自分の演技を超えられて、タイミングが悪ければお父さんの作品の主人公のサクラバ役まで取られていたかもしれない。声優業界は過酷だけど、それ以上にこんなの辛すぎますよね。


「……まず、ふたりとも。見当違いのことを言ってる。脚本がないなら、展開が読めないから、役に入り込めないとは言うけれど……。演技に、そんなものは必要ない。演じるのは自分であって、脚本や展開じゃない。まず、自分の中に確固たる自分を作るべき、だと思う」
(262ページ 引用)


さて、スーパー銭湯に泊まった2人。『マショナさん』のことや進路で悩み続けていたやすみは朝加さんや、憧れの先輩声優の森さんにも相談することにします! ここからはネタバレすぎるのであまり言わないけど、先輩声優の的確なアドバイスが良かったんですよ。


ひとつでも多くの経験をしたほうが、きっといい経験ができる。憑依型なやすみへの森さんのアドバイスは、もしかしたら同じタイプなのかもしれないけど、彼女の演技や、他の人達の演技をしっかり知っていないとあまりできないですからね。


「もう、もう、わかんないです……、わかんないですよぉ……っ!」
(293ページ 引用)


マネージャーからオーディションで合格した役が、憧れて模倣している先輩も受けていたことを伝えられた天才の弱さ。初主演がこんな形になってしまった、先輩の邪魔をしている、嫌われると思っちゃう、現実を嘆く彼女の気持ちに胸が痛くなって。


覚悟を決めた夕陽とやすみ、先輩声優が後輩に見せた姿。きっと『マショナさん』の作者さんも3人の演技に励まされたことでしょう、最後の夕陽の台詞と原作者のツイートに感動しました。今回も面白かったです。


6巻はもう一つ、夕陽とやすみが共演することになった、メディアミックスなアイドル作品『ティアラ☆スターズ』回! また違うやっかいな後輩が登場するそうで。どうなっていくのか、ラジオの方は何か進展があったりしないんでしょうかね? 6巻も楽しみですね!


以上、ラノ感でした!