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著者 上月司 イラスト あゆま紗由

異世界から双子魔術師が襲来!
史上最も小規模な妹争奪戦開幕する
妹に振り回される兄の奮闘記第2巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

妹の檸檬が魔法を使えるとんでもな存在で、しかも異世界の姫様だったと判明してからの激動の日々。気持ちのすれ違いから始まった兄妹喧嘩、あの忌まわしき『妹タワー籠城事件』も落ち着いた頃、兄である俺は……「えっと、お兄ちゃん? あたし、何で正座させられているのかなー?」 相変わらず想像の斜め上を行く、檸檬のお世話(制御)に追われていた。そんな慌ただしい中、俺たちの前に、異世界からアインとソフィの双子魔術師が現れて、檸檬を連れ戻しにやってきたんだという。いまここに、史上最も小規模な妹争奪戦が開幕する……らしい。

(電撃文庫公式サイトより)

感想


前巻(1巻)のお話

前回の感想はこちらから


試し読みまでのお話

調子に乗って学校でドラゴンを召喚して、お兄ちゃんに怒られた檸檬。異国の少女に隊や木をあげた太一は、檸檬が生まれた異世界から来ていたその姉妹を家に招いて、自己紹介をすることに――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




アインとソフィ

さて今回は異世界姉妹と姫様妹な回でした!


異世界からやってきた双子魔術師、アインルッテ(アイン)とソフィーリヤ(ソフィ)! 姫様を連れて帰るためにやってきたのに、檸檬にすぐ拒否されてしまった彼女たちは、太一たちと一緒に過ごすことになります。ついにきちゃいましたね、異世界人!


石に封じ込めた魔法を解き放って使う錬封魔法の石が、1円玉や5円玉でもできることを知ったアインたち。姫様を見つけた理由はやっぱり、あの妹タワーが関係していたそうで。これまで誰も起動させられなかった『妖精女王の別荘』を転移させちゃったら…さすがにね?


「はいっ。お昼に食べた
お寿司というものが
とても美味しかったですよ!」
(120ページ 引用)


アインとソフィと暮らすことになって2日目! 戸棚の中に異空間を作っていた2人は、白木さんとの交渉で気になったことを聞かれて、お寿司の感想を言っていました。美味しかったんでしょう…、うん、食べ物には弱い双子ちゃんです。


檸檬に巻き込まれて噴火しそうな火山問題を解決した太一は、今回も理想のお兄ちゃんぶりを発揮して。トンデモな言動をした檸檬に解決策を教えたり、デコピンしたりしていたんですよね。超痛かったよ⁉っていう檸檬。『聖なる揺り籠』が発動してないこの発言にはほっとしましたよ。


「大丈夫。僕がしたいのはソフィの助けになることで、ソフィが困ったり間違ったりした時に支えてあげることだから」
(207ページ 引用)


さて、檸檬の影響で廃ゲーマーの道を歩み始めてしまったソフィ。魔術師になると決めた妹のために騎士を志していた実は優しかったアイン。2人から話を聞いた太一は、檸檬を向こうの世界に送ってみるのもありかもしれないと考えるようになります。


「だからね、いいの。魔法が使えても使えなくてもあたしはあたしだし、血が繋がっていてもなくてもお兄ちゃんはお兄ちゃんだし。焦ることなく、じっくりのんびり――向こうの世界も手中に収めるよ!」
(284ページ 引用)


ケーキバイキングに誘ってもらえず、(異世界に)一緒に行ってみたらどうだ?と言われて、怒って「実家に帰らせていただきます!」と言っちゃった檸檬。太一から後で一泊にそんな大荷物はいらないと言われた檸檬は、向こうの世界に行くのやめたと言い出すんです。


始まっていくソフィとアインとの決闘。この決闘も良かったんだけど、お兄ちゃんとのすれ違いがずるい! もうずっと異世界にいるとつもりになっていた檸檬が、お兄ちゃんの発言で、すぐ帰ってきてもいいんだよね? あたしがいなくても寂しくない? ですよ?


お兄ちゃんが誤解を与えちゃう発言でこうなってはいるんだけど、この兄妹愛、良いですよね。最後はソフィの使い魔でソフィと会話して、檸檬が――と。最後の照れ隠し発言にもグッときました。今回もすごく面白かったです。


アインとソフィがまたやってくるんでしょうか、もしかしたら、太一も異世界に?、3巻も楽しみですね!


以上、ラノ感でした!