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著者 竹町 イラスト トマリ

キミたちは『紫蟻』に虐殺される
絶望の淵に立たされた時、英雄が現れる
不可能任務に挑むスパイ物語第4巻!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想

 

あらすじ

クラウスがかつて打倒した冷酷無残のスパイ殺し《屍》が口を割ったことで、帝国が放つ正体不明の組織『蛇』の尻尾を掴んだスパイチーム『灯』は、その正体を暴くため敵が巣を張るムザイア合衆国の大都市ミータリオに降り立つ。しかし、任務指揮を任されたティアはある出来事をきっかけに、スパイとしての自信を喪失していた。彼女の脳裏にはかつて自分を助けてくれた”あるスパイ”の言葉がよぎる――。「あなたはヒーローを目指しなさい」 恐怖渦巻く戦場に、想像を絶する強大な悪。絶望の淵に立たされた時、皆が待ち焦がれた英雄が現れる!

(裏表紙より)

感想


前巻(3巻)のお話

前回は、選抜組の4人は休暇中に、アネットの母親を名乗る女性・マティルダと出会っていましたね。帝国のスパイだった彼女を助けるため、モニカと闘い協力してマティルダを陸軍から逃亡させたティア。

リリィを引き連れて、失踪した選抜組の行方を追っていたクラウスは、ギードを撃ち殺した『蛇』のメンバー・白蜘蛛と引き分けて最後。アネットがマティルダの暗殺に踏み切り、彼女をコンテナに閉じ込め、マティルダは娘を殺そうとして自滅していました。


試し読みまでのお話

『屍』が口を割り、正体不明の組織『蛇』のしっぽを掴んだ『灯』。クラウスに勝負を挑んで負けたリリィたちは、経済会議で世界中からスパイが集まる大都市、ミータリオに潜む『蛇』の一人、『紫蟻』拘束任務に挑んでいく――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



黒髪の美しい少女

さて今回は『紫蟻』と黒髪の英雄な回でした!


『紫蟻』拘束と『蛇』の情報収集のため、経済会議が行われている大都市ミータリオに潜入した『灯』! 実行班の3人は、新聞記者(ジビア)、サックス奏者(モニカ)、ハンバーガーショップの店員(リリィ)になって、要人に接触し、スパイ捜索していきます。


『ハンバーガーを
食べまくれる場所がいいです!』
(93ページ 引用)



リリィってこんなにハンバーガー好きだったっけ? さてファーストシーズンもついに終幕! 今回は随所に騙される、欺いてくるシーンがあって、何度か驚いちゃいました。実行班の3人それぞれの前に現れる『紫蟻』の《働き蟻》たち。


特殊班の3人が加勢して、クラウス、屍、変装したグレーテの助けもあり、1人では勝ち目がない敵でも、それぞれが役割を持って、チームで戦う『灯』。まだまだ課題が多く残っている彼女たちだけど、成長して活躍している姿はグッときましたよ。


そして今回の表紙のティア。前回、クラウスに指揮官を任されていた彼女だけど、序盤はマティルダさん事件で葛藤して停滞気味に。あの作戦に私はいらなかった、と思っちゃうくらいに心挫けていましたからね。


《英雄の姿は、黒髪の美しい少女
――そう言われているそうです》
(210ページ 引用)


そんなティアを立ち直らせたのは、仲間全員からの励ましと、『焔』のボスでティアの憧れの存在『紅炉』が託した希望だったんです。やっぱりティアの心を救ったのは『紅炉』でしたね。彼女が英雄(ヒーロー)として働き蟻や将軍蟻を”支配”する『紫蟻』に立ち向かっていく姿は“極上”でした。


他のスパイたちが《働き蟻》十何人によって命を落としている中で、《働き蟻》73人を相手取り勝利するクラウスと同格の敵はいるのでしょうか。セカンドシーズン突入する5巻、リリィたち8人の成長が楽しみですね。


3巻までですが、登場人物をできる限りまとめてみました!(4巻は後日更新予定です) ネタバレありですが、よかったら見てみて下さいね!




以上、ラノ感でした!