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著者 池田明季哉 イラスト みれあ

グラフィティvs音楽《戦争》勃発!?
かつてのバンドのボーカリストが現れる
ブリストル青春ストーリー第2巻!

目次1 ▯感想
2 ▯2巻まとめ

 

感想


前巻(1巻)のお話

後日更新予定。


試し読みまでのお話

ヨシが音楽活動をやめる原因を作ったかつてのバンド仲間、ネリナがブリストルに⁉ そんな中、クリスマス間近の街では、ブーティシアが左手で書いたグラフィティが《Z》と上書きされていて――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。



音楽とグラフィティ

さて今回はグラフィティと音楽がぶつかり合う回でした!


再びギターを弾けるようになりつつあったヨシは、ジェイエフさんに、知り合いのミュージシャンがメンバーを探していると聞いて、メンバーになるための演奏をすることに! だけど、プロジェクトを立ち上げたガブリエルさんはグラフィティ嫌いだったんです。


「ヨシ、君が答えられないのは、
考えていないからだ」
(76ページ 引用)


ガブリエルさんに自分の曲を演奏したヨシは、彼から「その音楽は、キミにとってどんな意味がある?」と言われ即答できず、一度は断られますが、ネリナとの演奏で判断を覆させます。出てきちゃいましたね、ネリナさん。


彼女に振り回されっぱなしのヨシでしたが、それはまず置いておいて。他人の壁に絵を描くことが、いったいどうして芸術たりうる? とグラフィティを許さないガブリエルさんの想いの強さと貫く姿勢には、前回でグラフィティ側の想いを知っていても刺さりました。


〈Z〉

さて、ガブリエルさんが「グラフィティを、上書きする」と宣言して。街中では《嬢王熊の復讐》のグラフィティが〈Z〉によって上書きされ。ララさんたちは〈Z〉が誰なのか突き止めることにします。


「船長として、叩き潰す。
これは〈Z〉と私の決闘よ。
手を出すことは許さない。いいわね」
(125ページ 引用)


他の人たちを巻き込みたくない。ララさんは「これは戦争よ」とガブリエルさんに宣戦布告! したんですが、市民の間でグラフィティ排斥の機運が高まり、さらには〈グラフィティは終わりだ〉と上書きされちゃうんですよ。


大学生との衝突でララさんは梯子から落ちて重症。病院でヨシは、ジェイエフさんに「あなたが〈Z〉だったんですね」と告げます。ヨシに「マジのライターでもねぇし、マジのミュージシャンでもねぇ」とも、「どっかで覚悟を決めなきゃいけねぇ」とも言っていたジェイエフさん。


そんな中途半端と自分自身で思っていた彼が、ガブリエルのところにいたら、《嬢王熊の復讐》は、日和ったって思われちまう。だから――と、最後には本気で挑んで全てを話して、ララさんとペニーと3人で抱き合う姿、今回本当に人の強さと想いが胸にきますよ。


クリスマス・ウォーズの炎

「ばあちゃん、言ってた。グラフィティのことはわからないけど、この街の文化だからね、って。この街を頼む、って。……これからは、あんたたちの時代だって」
(288ページ 引用)


さて、ブーさんと話しているときにネリナたちが現れ、ガブリエルと演奏することを知られてしまったヨシは、彼女にあのとき言われた「魂がない」の意味を聞きます。ここからはネタバレすぎるので言いませんが、ネリナの欲望の為への覚悟が良かったですね。


ネリナとブーさんがぶつかり、クリスマスがやってきてぶつかる音楽とグラフィティ! 本音や魂をぶつけ合い、燃え盛る炎。最後には間違っていたと認め、変わっていく人と未来。この作品は本当に刺さりますすね!


2巻まとめ


というわけで2巻の感想・レビュー?でした。

音楽活動を再開したヨシの前に、かつてのバンド仲間で音楽活動をやめる原因を作ったボーカリスト・ネリナが現れましたね。ジェイエフさんの誘いとネリナとの演奏で、グラフィティ嫌いのガブリエルさんと一緒に演奏することになったヨシ。

クリスマス間近にガブリエルさんが「僕たちは、グラフィティを、上書きする」と宣戦布告して。〈Z〉を名乗る人物が《嬢王熊の復讐》のクルーのグラフィティを上書きし、ララが「これは戦争だ」とブログに書いて始まる音楽とグラフィティの対立。

ララが病院に運ばれ、ジェイエフが〈Z〉だと判明して、ネリナとブーディシアが本気でぶつかってラスト。音楽が終わり、グラフィティを見たガブリエルさんは、ブーがブリストルのゴーストだと知って、火炎瓶で船を燃やして、ヨシたちに助けられ、クリスマス戦争が引き分けに終わっていました。

創作に懸ける人々の想いが交差する2巻! それぞれの想いや魂を本気でぶつけ合う、ブリストル文化を担う青年たちの青春に熱くなりました。今回も面白かったです。

次回はどんな上書きが待っているのでしょう3巻も楽しみですね!


以上、ラノ感でした!