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著者 有象利路 イラスト 叶世べんち

キミが最初に果てへ至れば――蘇るヨ。
《塔》に挑む者たちの異常な日々と、
彼らの罪と咎を描くダークファンタジー!

目次1 ▯あらすじ
2 ▯感想
3 ▯章ごとにいろいろまとめてみた

 

あらすじ

その日、ある少年が死んだ。仲間思いで心優しい、少しだけ照れ屋な……そんな彼はいなくなり、瞳に仄暗い光を宿した狂戦士のような男が、ただ一人立っていた。少年の名はスカイツ。彼は、幼馴染たちで構成されたパーティである《塔》を攻略するさなかに、魔の祝福を受けてしまう。「自分が死ぬと、その場に居合わせた仲間の“能力”と――“存在そのもの”を吸収して、時間を戻し復活する」能力。親しい友を意図せず自らの力で「喰らい」、失意の彼は次第に心を擦り減らしていく。そして、その身を削る苦しみの果て、彼は【鬼】へとその身を堕とす。《塔》に挑む者たちの異常な日々と、彼らの罪と咎を描くダークファンタジー。

(電撃文庫公式サイトより)

感想


魔の祝福を受けた少年が魔塔に挑むダークファンタジー! 幼馴染たちと《塔》を攻略中、仲間たちのために自己犠牲を選んだ少年・スカイツが、手駒として生き返り《塔》を昇ることになる、仲間思いの少年の終わりと始まりが楽しめる作品でした。

リーダーで《準先駆者》のアブラ―ジュと、孤児院出身の幼馴染5人で構成されたギルド《ストラト・スフィア》。そのメンバーの1人のスカイツは、幼馴染たちと《地下街》の中央にそびえ立つ、魔物が蔓延る直四角柱型の巨大建造物《塔》に挑んでいました。

そんな彼はある日、一階層ラストフロアの異変を調査するよう依頼を受けて3日間戻って来なかったリーダーを救うため、シア、ペイト、アルとラストフロアに向かいます。茨の塊のような《卵》のような魔物から壁に埋まっていたリーダーを助けた4人。

しかし、魔物の襲撃に遭い、スカイツは「この四人の中で、一番価値がないのは己である」と、仲間を助けるため自分を犠牲にしてしまうんですよ。死んでしまったスカイツ。なんだけど彼は、イェリコと名乗る存在によって手駒として生き返るんです。

自分が死ぬと、その場に居合わせた仲間の“能力”と“存在そのもの”を吸収して、時間を戻し復活する《理外の力》、《礎》を与えられたスカイツ。罪悪感に苛まれ引きこもった彼は、消えていなかったギルドメンバー、シアとクアラに、救われていくんですよね。

この自己犠牲な少年の絶望に至る様子が丁寧で、共感できて面白かったんですよ。クアラが塔に挑むための?《昇降者》認定試験で、殺されそうになっていた2人を助けたスカイツは、引きこもりを止め、一緒に《塔》を探索していくことにします。

イェリコから「誰よりも速く果てへと至れたのなら――キミが『喰べた』者達を、全員蘇らせる」と言われ、万病に効く薬の材料を探す旅人のクロヤと共に、一階層ラストフロアにいた魔物と闘うことになり、スカイツはどうなってしまうのか。

始めに【鬼】へと身を堕としたスカイツが描かれるんですが、仲間思いの彼がどう堕ちていくのかその過程に魅せられ読み進み、ラストもまた残酷な展開がまっていて驚きと共に胸を締めつけられます。スカイツは《塔》の果てへとたどり着くことができるのか。続きが気になる面白い1冊でした。



以上、ラノ感でした!

レーベル
電撃文庫
ジャンル
ファンタジー
おすすめ度(評価)
★★★★☆
ページ数
344
発売日
2020年10月10日



章ごとにいろいろまとめてみた


スカ
イツ
クアラ
シア
クロヤ
イェ
リコ
(バ)ページ
断章
×
×
×
×
14
第一章
×
86
第二章
×
68
第三章
138
終章
×
18
合計
324

キャラは登場していて、
台詞があれば〇、なかったら×です。
(バ)はバトルシーンが
ある〇、ない×、微妙△です。
(管理人が思った通りに書いているので、
〇×△は多少の違いがあるかもです)