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著者 風見鶏 イラスト にもし

辿り着いたのは聖堂がある廃村?
滅びかけた異世界でエルフと旅をする
ロードムービーファンタジー第2巻!

目次1 ▯感想
2 ▯2巻まとめ

 

感想


前巻(1巻)のあらすじ

人が結晶となり消え、白い砂漠に呑まれてゆく、滅びかけていた異世界に迷い込み、帰る方法を探して蒸気自動車で旅をしていた少年・ケースケ。彼はある日、ハーフエルフの少女・ニトと出会い、彼女の“探し物”を手伝うことになる。

蒸気技師・ヴァンダイク、老夫婦のネッドとジュリー、旅人・ジャック、魔女を名乗る女性・オリンピア。生き残った人々と出会い別れを重ねていった2人は、「また明日」と笑いあったのだった。


試し読みまでのお話

黄金の海原を見つけるため、地図を探すことにしたニトとケースケ。「聖女さま」を奉る聖堂がある田舎の小さな村に辿り着き、聖堂で泊まらせてもらうことにしたケースケは、届け屋だった獣人の少女と再会して――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




届け屋・シャロル

さて今回は「聖女さま」を奉る小さな村と灯花な回でした!


“物語”を探している届け屋で獣人の女性・シャロルと出会った2人は、聖堂に泊めてくれたお婆さん・ファゴさんにニトの靴を直してもらうことに! 彼女からお使いを頼まれたケースケはモルモットの男性と出会って。


新しい靴に足を通して、部屋を歩き回ったり、「ファゴの様子はどうだね」と聞いてきたり。風景や心情の描写は1巻から丁寧で美しいなって思ってたんだけど、ちょっとだけ書かれていることでも、2人の関係と生活感が見えて素敵ですよね。


「こんなお上品な場所であたしが踊れるわけないじゃない。ここに来たのは、そうね、あなたと同じ旅の果てって感じよ」
(89ページ 引用)


聖堂に戻っている途中、ニューハーフのポーラさんに運転席の窓を叩かれ、劇場に案内されます。ダンスを見せられて、ジルという名前の歌が得意な女性を紹介され、お客さんになってほしいと告げられたケースケ。歌やダンスもこの世界にはあるんですね。


希望の箱

さて、ファゴさんの家に戻ったケースケは、1つだけ伏せてあった写真を見てしまいます。その写真だけ、写っていた男の子。ファゴさん「その子は死んだのさ」っていうけど気になります…。


ニトの靴の調整が終わり、シャロルさんと食事をすることにした2人。彼女と話に熱中しそうになっていたケースケに、ニトは大きな咳払いをして。「何も問題はないです」なんていってるけど、もう分かりやすすぎるニト、可愛すぎる!


「夜、眠る前にはいつもこの箱を眺める。この箱の中身だけが私を支えている。だから君に送る助言はひとつだけだ。希望を詰める箱を見つけたまえ。それが心の拠り所になる」
(139ページ 引用)


パスタを3人で食べて、夜中に外を出歩いていたケースケは、モンテ(モルモット)さんに声をかけていました。貴族の紅茶をご馳走してくれたモンテさんに、悩みを聞いてもらって、虚しかったことを知った彼は、助言を貰って。


異世界に迷い込んで、一人で旅をしていた途中でニトと出会って、一緒に旅していろんな人と出会っていたケースケだからこそ、ここまでこの滅びかけている世界に悩みを抱え始めているって、気の毒で切な過ぎますよ。


灯火祭

さて、ニトに灯火祭をしようと言われたケースケは、彼女と一緒にポーラさんたちを誘うことにします。ここからはネタバレすぎるので、あまり言わないけれど、ポーラさん、ジル、ファゴさん、モンテさん、そしてシャロルさんの抱えていた問題が辛く考えさせられました。


「辛い思いをしている人がいるのに、わたしたちは見ていることしかできないんでしょうか。聖女さまみたいに魔術が使えないと、誰かを助けることはできないんでしょうか……」
(194ページ 引用)


ニトの純粋な想い、ジルさんの秘密とお願い、シャロルの探していた物語。招待状を一生懸命描いていたニトが届け繋げた関係。最後はケースケがニトと踊り、シャロルさんにある希望の詰まった箱を渡して依頼をして。私にもいつか歌を届けてほしいですね!


2巻まとめ


というわけで2巻の感想・レビュー?でした。


探し物のために地図を探していたケースケとニトは、「聖女さま」を奉る聖堂がある小さな村に辿り着いていましたね。聖堂で泊まることになった2人は、届け屋で獣人の女性・シャロルと出会って。

周辺に暮らす人々と関わって、彼らの悩みや痛みを知り、村に伝わる「聖女さま」への感謝を表す祭り・灯火祭を復興させることにしてラスト。ポーラさんとファゴさんは親子の関係を取り戻し、ニトはジルと友達になって。

ケースケはモンテさんから物語を託され、シャロルにスマホを渡して「歌を届けてほしい」と依頼して。灯火を火の中に投げ入れて、並んで光景を眺めていました。

「聖女さま」を奉る村で希望を届けた2巻! 生き残った人々、ケースケの抱えていた痛みや苦しみが切なく、招待状、希望の歌、灯火祭、繋がっていく、届いていく想いに感動しました。今回も最高に面白かったです。

「明日」は来ますよね⁉ 3巻、それ以降も楽しみにしています!


以上、ラノ感でした!