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著者 紙城境介 イラスト たかやKi

結女と水斗の終わった恋の行方は?
未練が渦巻く3度目の夏祭りが訪れる
元恋人同棲悶絶ラブコメ第4巻!

目次1 ▯感想
2 ▯4巻まとめ

 

感想


前巻(3巻)のお話

前回は、フラれたはずの東頭が距離を縮めていましたね。幼馴染2人の思い出が明らかになって、きたる勉強合宿。水斗の策略で「こーくん」「あーちゃん」と愛称で呼び合うことになった暁月と小暮は、ため込んでいた気持ちをぶつけ合っていました。


試し読みまでのお話

中学二年生の夏、図書室に来られない水斗に、早く会いたくて電話して充電切れで切られてしまった結女。倦怠期のカップルみたいと言われるようになった2人は、一緒に水着を買いに行き?――というのが試し読みまでのお話。

ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。




ただの〇〇


さて今回は三度目の夏祭りでファースト・キスが布告する回でした!


水斗くんと映画を観ながら髪を弄ばれて、下乳を掻いていたいさな。家に上がり込むだけじゃ飽き足らず、誘惑もして。これ無意識じゃないよね? 結女は2人を飼い主と飼い犬のそれと思いながら、恋人じゃないかと疑って。同棲感と倦怠期の差が…。


「エッチな水斗君も見たかったんですよねえ、
わたしは」
(77ページ 引用)


寝ている水斗くんの唇を見た結女は、2人だけのキスのルールを思い出してしまいます。いさなのエッチな発言で、ふわふわ浮き立つような気持ちを覚えて、ただの性欲だと抑制する元カノ。ただの未練でも、解釈違いでもないと思うんですけどね。難しい関係ですよ。


シベリアの舞姫

父方の実家に帰省した水斗君たち! 2人はそこで陽キャなお姉さんと出会います。名前は種里円香。竹真くんを連れた親戚です。そんな円香さん、水斗君の両親のことを結女に話してしまうんです。病弱で出産してすぐ亡くなった可奈さん。どんな人だったんでしょうね。


円香さんから話を聞いた結女は、峰秋さんの再婚を「人生の大きな試練を立派に乗り越えた証」と思ってしまって。この家庭を絶対に守り通さなければならない、とは由仁さんも峰明さんもほとんど望んでないはずだけど、可奈さんのことを聞くと重く考えちゃいますよ。


『僕は、
あなたに引き留めてほしかったのです。』
(130ページ 引用)


水斗君がいた書斎で、ひい爺さんの自伝『シベリアの舞姫』を読んだ結女は、もう一つの涙の染みに気がつきます。シベリアでの捕虜生活、エレーナという女性との恋。引き留めるために『水斗』って呼んだのに、「死ぬまで、きょうだい」って、ね?(語彙力不足…)


かつて付き合っていたことなんて些末なことだと思い始めていた彼女は、水斗君に初恋のことを聞いて。「よく、笑う人だったかな」と答えた水斗君だけど、円香さんのことが好きだったと誤解して、挿絵と文字で空けてある距離感に締め付けられます。


ファースト・キスが布告する

たとえあなたが、
どれだけ綾井結女を好きだとしても――
――伊理戸結女が、絶対に、
口説き落としてあげる。
(323ページ 引用)


さて、幼馴染のプール、へっぽこいさななエピソードがあって、結女は円香さんと浴衣を選びに行きます。ここからはネタバレすぎるので言いませんが、初めての彼氏とよりを戻していた円香さんとの、腹を割って話す裸の付き合いが良かったですね。


円香さんにセッティングされた場所で口にする昔の呼び名。初恋の人の誤解が解けて、水斗視点で彼の世界?を覗いて、夏祭りで見つけぶつけた宣戦布告。未練を新たにした元カノで義理のきょうだい、そして――な少女が紡いでいく運命とは。ここからまた始まりです。



4巻まとめ


というわけで4巻の感想・レビュー?でした。

水斗と結女は父方の実家に帰省することになりましたね。親戚の円香さんと出会い、水斗の生い立ちが分かって。水斗への膨らむ気持ちと葛藤していた結女は、ひい爺さんの自伝『シベリアの舞姫』を読み、円香さんに相談して背を押されて最後。

綾井結女ではなく、伊理戸結女として「昔の恋が、終わってくれない」少年に、二度目のファースト・キスで宣戦布告していました。

親の再婚で水斗ときょうだいになり、1巻から(由仁さんと峰明さん、いさな、幼馴染な2人、円香さん、親戚の人たち、との)いろんな彼の姿を見てきた結女が、昔の恋と今の想いに葛藤し、向き合っていく今巻。

今までのイチャ甘は少なくなり、本格的に元カップルの恋が動き出す。結女の視点で語られる心の内、両親への心配と、未練で悩んでいた彼女が、綾井(昔)ではなく、伊理戸結女(今)としてキスで宣言する姿に感動しました。今回もすごく面白かったです。

水斗君の見えてきた深い人物像。神様に「わたしの片想いを、永遠に終わらせないでください」と願ういさなと、新たに恋の道を踏み始めた結女が、どうなっていくのか。水斗君視点、これからの展開が非常に楽しみですね。

以上、ラノ感でした!