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著者 岬鷺宮 イラスト  Hiten

文化祭で再会⁉
幕が上がり想いは変化する。
「二重人格」の少女と少年が紡ぐ
三角関係物語第3巻!

目次

 1 ▯感想‼
 2 ▯3巻まとめ‼

感想‼


前巻(2巻)までのお話

前回は、秋玻が矢野に告白して付き合うことになりましたね。親友の修司は須藤に告白して振られて。2人の関係を取り持とうとした春珂と矢野は、周囲の期待に応えようとする須藤の悩みに答えて。気持ちと向き合った春珂が、ラストに矢野に告白した。ってところで終わりました。

前巻(2巻)の記事はこちらから

試し読みまでのお話

春珂に告白された矢野は、秋玻が好きだからと言って告白を断ります。友達のままでいることになった2人。しかし春珂は諦めないと決めます。そして夏休みが明けて、秋玻と久しぶりに会った矢野は、彼女に春珂とのことを伝えた日のことを思い出すのでした。――というのが試し読みまでのお話。


ここからは少しネタバレが含まれるので、読んでない方は注意してください。

文化祭

今回の表紙は春珂ですよね! 笑顔と振り返っている少し幼い感じが、春珂な気がするんですけど、どうなんでしょう。秋玻もこんな表情するんですかね? 

さて今回は文化祭実行委員になった矢野くんが、中学校のときにキャラ作りを教えてもらった庄司霧香と出会い、春珂との関係と自身のあり方に悩む回でした!

文化祭実行委員になった矢野くんと春珂の2人。長い時間一緒にいるために、春珂が仕組んで実行委員になっちゃうんですよね。この学校では宮前高校と御殿山高校の合同文化祭をやるそうで。新キャラの霧香と「共同ステージ」の担当になった3人は一緒に、イベントの出演交渉をします。

最初は出演しないと決めていたグループですが、霧香の交渉術によって出演OKに。秋玻の一言に興味を持ったOmochiさんは、秋玻の声に惚れこんでレコーディングを条件に出演OKになるんです。他の人たちの勢いに押されて、春珂もステージに立つことになって。

彼女にとっては初めてで、最後になるかもしれない文化祭。

当日にはアクシデントもあったりしたけれど、人形劇は無事に成功して「んはぁああ」と息を吐く春珂。急遽Omochiさんによって歌うことになった秋玻が歌っているシーンは、舞台の静けさと独特の明るさ、イラストもあって楽しそうでしたね。

キャラ作りを教えてくれた人

今回も新キャラが登場しました。名前は庄司霧香。なんと、矢野くんにキャラ作りを教えた張本人なんです! そんな彼女が登場したことによって、1巻でキャラを作らないようにした矢野くんが悩み始めます。

「本当は、そろそろ気づき始めてるんじゃないですかー? 作らずにいるなんて、そのままでいるなんて言い訳だってことに。それは無力で、情けなくて、身勝手な選択なんだって」
(96ページ 引用)


尋ねられた言葉に動揺する矢野くん。そんな彼を昔の「キャラを作っていたころ」に戻そうとする霧香の言葉の数々は印象的でしたね。出演交渉を失敗した彼に「やるべき仕事をできるくせにやらない」という彼女。

それに対し、キャラを作って文化祭成功に導いた後の矢野くんの返答、それでも心を乱していく一声一声。かき乱していって、揺さぶって、読んでいるこっちも彼らに感情揺さぶられて。もう言葉が出てこないくらい良すぎました。

三角の距離は?

春珂が告白して振られて、けど諦めないんです。好きになってもらおうと接し方を変えて、それでも秋玻のことが好きだからと変わらないと矢野くん。それが霧香の登場で揺らいでいくんですよ。

本当に春珂には友達として接しているだけなのか、そういう感情は抱かないのか。質問される春珂と秋玻の関係。矢野くんは今まで見えていなかった春珂の姿も見て、秋玻は矢野くんに一緒にいる幸せを感じながら、春珂に対して罪悪感を抱いて。

そしてラスト。幸せを手にした秋玻が手放して、関係はまた新たに始まっていく。ここから不器用な3人がどうなっていくのか、4巻が楽しみすぎますね。

2巻まとめ‼


というわけで3巻の感想・レビュー?でした。

文化祭実行委員をやることになった2人は、矢野の「過去の自分」を作った存在、霧香と出会いましたね。文化祭でイベント準備をしていき彼女の影響を受け、三角関係に新たな道を切り開き始め、読みながら感情が変わに変わりかき乱され高まる3巻。今回も本当に面白かったです。

タイムリミットが刻々と近づく中、「矢野、秋玻、春珂」の関係がどうなっていくのか。4巻も楽しみです!

以上、ラノ感でした!