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著者 山之 臨 イラスト パルプピロシ

第20回えんため大賞受賞作!
離れた想いはロケットにのせて⁉
ロケットが紡ぐ青春物語‼

こんにちは、夕凪真白です。
今回はファミ通文庫から『やがてはるか空をつなぐ』の感想やっていきたいと思います!

目次

 1 ▯あらすじ
 2 ▯個人的おもしろポイント
 3 ▯感想

▯あらすじ

部室ではバルーン実験の準備が進んでいた。メンバーはロケットオタクの青桐七海、プログラマー山花俊、天真爛漫な後輩、町田佐奈の三人だ。実験の当日、彼らは近くの高校に通う赤森遙と出会う。活動に興味があるという遙は物理部へ入部を希望するのだった。彼女にはどうしても校庭でモデルロケットを打ち上げたい理由があるのだという。しかし過去に青桐が起こしたある事件をきっかけに実験は禁止されていて――。ロケットが紡ぐボーイミーツガールが幕を開ける!
(ファミ通文庫公式サイトより)
 

▯個人的おもしろポイント

①想いよ届け!
「自分は、今、ここにいる」。大好きで今は遠くにいると思っている女の子に伝えるため、主人公の青桐くんは何回もロケットを飛ばします。手の届く場所にいた、いつも遊んでいた女の子。泣かせてしまったという後悔を胸に、遠くに飛んで行ってしまった彼女に気持ちを伝える、近くて遠い青春はじんとくるんです!

②周囲の環境!
クラスメイト、家族、親友。どこにでもいる存在が、傷つけてくる存在かもしれない。親からの期待、政略結婚、クラスメイトの目や罵詈雑言。変えたいけれど、変えられない過去。好きでも言うことが出来ない今。ロケットにより集まった、飛び立ちたい5人の想いはキラキラと輝いていました!

③自分らしさって?
自分らしさって何なの? 他人が感じているイメージは自分が思っている全部ではないし、他人に感じているイメージは全部じゃないかもしれない。そんな「自分らしさ」の葛藤をこの高校生たちは抱えています。迷って迷って、バルーンのようにはじけて、最後に見つけ出す気持ちは晴れ晴れとしていました。

他にもいっぱいおもしろポイントはありますが、今回はここまで!

気になった方は、試し読みをご覧になられたり、書店さんに行って見たり買ったりしてみて下さいね。

▯感想

ロケットに想いを託し、打ち上げ続ける青桐くん。物理部に入ってくる赤森さん。後輩の佐奈から、同級生のくんと、同じ予備校に通う真琴さん。この5人の過去や想いが各章ごとに1人ずつ見えてきて。生まれた環境で感じることや自分らしさの葛藤に最後、全員が答えを出している青春にぐっときました。面白かったです!

主人公が想っている子がすぐに分かってしまうのが、残念なところではあったんだけど。分かっているからこそ、書かれていない彼女の気持ちが追っていけて。オレンジやブルー、他にも違う色が何個も出てきて青春の輝きを出し。紙飛行機とバルーンとロケットが、心のどこかで変わりたいと願う彼らの心情を描いていて。ラストはきれいな形で終わっている。空を見上げる5人の世界、それぞれ動き出したような、空を見上げたくなる1冊でした。

次にキャラ。まずは赤森さん。ロケットを打ち上げたい理由が可愛らしかったです。いろいろ抱え込んでいて、最後に伝えたかった言葉を言ったときの涙。あの事件はどっちもどっちだと思うけど、すごく辛かったんだよね、考えると泣けてきました…。

そして、佐奈。好きな人の前だと演じちゃうのが可愛かった! 近づきたいと思って頑張って勉強までしちゃうんですよ? それなのに、恥ずかしかったのか、このままでいたかったのか、隣にいるだけの関係で。うん、すごくいいですよね。くんも真琴さんも青春していていい関係でした。


最後に。1巻完結だと思うので、次回作楽しみにしています!

以上、ラノ感でした!

評価
ページ数バトルエッチな?定価
★★★
288
×
×
691

バトルなどはシーンが、ある(〇)微妙(△)ない(×)です。