目次

　1 ▯あらすじ
　2 ▯個人的おもしろポイント
　3 ▯感想

▯あらすじ

機甲車が這い、弾丸魔法が降る、東国と西国の百年に及ぶ戦争。追い詰められた東の少年兵レイン・ランツは、見慣れぬ弾丸を放ち、敵将校を殺害する。――刹那、世界が一変した。戦場は通い慣れた士官学校へ切り替わり、死んだはずの級友の姿も。戸惑うレインに、弾丸を作ったという少女エアは告げる。「撃った相手を最初からいなかった世界へ再編成する“悪魔の弾丸”。このまま使いたい？」終わりなき戦場を前に、レインの決断は――「終わらせる。変えてやる。この弾丸で、全てを」世界の理を撃ち抜く、少年と少女の戦いが始まる――。第31回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞のミリタリックファンタジー！
（撃ち抜かれた戦場は、そこで消えていろ　裏表紙より）
　

▯個人的おもしろポイント

①神性を持った亡霊！
『天神族』『悪魔族』『甲赫族』『火真族』『水精族』『岩皇族』『飛翔族』『星霊族』『準神族』『真神族』。こんな新兵十人の神性を持った亡霊が、それぞれ出てくるんですよ！　表紙にもいるヒロインのエアは『悪魔族』。神性は『消滅』。その力で作られた悪魔の弾丸をもって、敵国と他の亡霊と、残酷で地獄な戦場で戦う2人の激闘は面白かったです！

②悪魔の弾丸！
エアが作った、『撃った相手の“全て”を世界から消す』能力を備わった弾丸が出てくるんです！　世界から消えるので、他の人にはその人の記憶はなし、その人がやってきたことすべてが無くなる弾丸。撃たれた人は薬莢に名前が刻まれているだけ。何度も世界を変えて、戦況を変えていく。先が読めない展開にドキドキさせられます。

③白と黒のパートナー！
エアとレインは物語の中盤で「誓約」関係になるんです。エアが強制する命令には逆らえない。けれど、エアが死んだら魔術はレインのもの。不完全な取引の中、2人で一緒に戦場を駆け抜け、明らかになる亡霊の肉体と悲惨な過去。似た者同士の絆が深まっていく展開は熱いです！

他にもいっぱいおもしろポイントはありますが、今回はここまで！

気になった方は、試し読みをご覧になられたり、書店さんに行って見たり買ったりしてみて下さいね。

特設サイトもあるそうなので、そちらもぜひ見てみて下さいね。
マンガもあるらしいですよ！

▯感想

平然と。
何十人も前にして。
教室に入ってから、一分も経っていないのに。
まるで――ここに来ることのみが、ただ一つの目的だと言うように。
少女は引かず。
目線を逸らさず。
「百年前からよ」
啖呵を切っていた。
《p.31　7行目～p.31 14行目》

このたんたんとしたリズムが、すごく読みやすいんですよね！　
世界観設定はしっかりとしているから、読み進められるし、世界も見えてきて物語に入りやすくて。オリジナルの設定と、巧みなストーリーで飽きさせない、戦場に赴くキャラやバトルは魅了されました！　すごく面白かったです！

弾丸が跳ね返る魔法「幻硬弾」と、撃った相手の“全て”を世界から消す「悪魔の弾丸」を使い戦うバトルも、見どころがいっぱいで。とくに「戦争」という戦場で無残にたくさんの人がなくなる中で、ただの敵兵じゃなくて、エアと同じ亡霊があらわれてのチーター戦（亡霊戦）。

エアとレインの「誓約」で1人で戦わせるのじゃなく、一緒に助け合って戦う。絆深まる2人は過去や肉体のこともあって、似た者同士の悲しく熱い展開は引き込まれました。

ちょこちょこ入ってくる日常パートは、戦の前の静けさもあって。お宝争奪戦でのノリがいいキャラたちに笑っちゃいました。先輩の遺品の銃を売るって、ダメですよね…ホント。「ムカつく奴は半殺しにしても問題なし」って、レインにムカついてる人たち多すぎですよ…。

次にキャラ。まずはエア。スカート捲り上げてきたりする、ちゃめっ気がいい！　戦場ではレインと一緒に亡霊と戦って、そのときとのギャップがあって、見た目通りの可愛さがありました。

そして、アスリー。可愛いけど、怖い…。好きな子への浮気発言は、やめましょう絶対。幼馴染を取るか弾丸をとるか。ラストで意外な結末が待っていたけど、どうなるんでしょうね。

イラストはTEDDYさん。
表紙からでもカッコよさが伝わってきました。
一番好きだったイラストは225ページ。
銃を持つアレクから感じるオーラがすごい！　コートの毛と髪の毛のはね具合いと、目もと？のラインが狂気さを増していて、すごくカッコよかったです。他のイラストも可愛いものやカッコいいものがあって。どれも神イラストでした！

最後に。他の亡霊たちがどんな神性をもっているのか。戦場はどう変わっていくのか。4月に発売される2巻、楽しみです。

以上、ラノ感でした！

評価	ページ数	バトル	エッチな？	定価
★★★	376	〇	×	648

バトルなどはシーンが、ある（〇）微妙（△）ない（×）です。