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著者 上総朋大 イラスト 細居美恵子

最弱なヒトが世界を!?
壮大な戦記ファンタジー開幕!

こんにちは、夕凪真白です!
今回はファンタジア文庫から『ヒトよ、最弱なる牙を以て世界を灯す剣となれ グラファリア叙事詩』のご紹介と感想!

目次

 1 ▯あらすじ
 2 ▯内容紹介
 3 ▯感想
 4 ▯最後に
 5 ▯章ごとにいろいろまとめてみた

▯あらすじ

人間がヒトと呼ばれ、他種族の家畜や奴隷として虐げられている世界。奴隷を身ながらも、ヒトが誇りをもって生きられる国をつくるという大望を抱き、知を磨き続ける少年ジノがいた。そんなジノを見初めたのは、ヴァンパイアの姫ヘネシー。ストーリア公国の跡継ぎ候補ながら辺境で燻っていたヘネシーの想いを見抜いたジノは、彼女に仕え、内政・交易・軍事と様々な分野で天才的手腕を発揮。彼女の領地を瞬く間に豊かにする。「ジノの夢はあたしが叶える。だからずっと傍にいてくれる?」そして、ストーリア公国に未曽有の政変が勃発するとき、ジノの才能は最大の輝きを発揮する――天才軍師として!
(裏表紙より)

▯内容紹介

〇登場キャラ
ジノ
本作の主人公。ストーリア公国のヒト収容区画で暮らす少年。ヒトだけが暮らせる国をつくるという目標を持っている。多くの本を読む勤勉。ヘネシーの侍従贄(侍従と血を吸えるようにするためのヒト)になりフェザーミルの繁栄とヘネシーを大公に、そして夢の実現のために動く。エーテルという魔法みたいな力を持っている。
ヘネシー・ストーリア
本作のメインヒロインでヴァンパイア。ストーリア公国の公女。公国の西にあるフェザーミルを治める女公爵。「辺境姫」と呼ばれている。ジノに魅力を感じ侍従贄にする。普段は「私」というが、ジノの前では「あたし」という。天才であるジノの言葉を信じ、そのままに動く。ジノのことが好きで、いつかヴァンパイアにしたいと思っている。
ライバー・ツェンぺルト
【疾風の】二つ名を持つ大将軍。ヘネシーに仕えていてフェザーミルの軍務を仕切っている。最初はジノのことをよく思っていなかったが、戦を模したゲームで完敗し、ジノを認めるようになる。漢。
ヴィオラ・ウォティア
フェザーミルの総務局長のちに外交局長になる。ライバー同様最初はジノのことをよく思っていなかったが、才能を理解していき、ジノを認めるようになる。ダンスなどをジノに教える。
ルシール・リッテラ
フェザーミルの内政局長。ジノに対しては自然と敬礼したりするほど、認めている。内政の天才だが、文章力のなさなどがあり、ジノに手伝ってもらっている。
トレーフル・エリアス
ヘネシー付きのメイド長。神出鬼没で突然現れたりする。従順なメイドだけど、「仕事がまた増える……」なんていったりするときがある。
ターシャ・ツェンぺルト
ライバーの娘で兵長。頑固な性格でジノのことを嫌っている。

〇おもしろポイント
①最弱生物なヒト
魔獣、魔物、妖魔が統べる世界でヒトは家畜とか奴隷な存在。主人公のジノ君はそんなヒトという生物で。「ヒトだけが暮らせる世界」を創るという願いがあって。本をよみあらゆる知恵を得て、その願いを叶えようとするわけですよ! 仲間の死や他のヒトたちが無残に死んでいく中、彼はこの願いをもってヘネシーとともに国を変えていく。天才となってジノ君が1つの地区の内政や戦略を動かしていく姿や願いを叶えていくストーリーは引き込まれます!
②圧巻なラスト!
大公が暗殺されて、誰が次の大公になるかの戦になるんですが、敵を倒すためにジノ君が決めた策が切なすぎるんですよね。これはぜひ読んでほしいのであまり言いませんが、あるキャラの戦いに行く姿とラストの言葉には感動すること間違いなしです!
③ヴァンパイアとヒトの恋
ヘネシーとジノは互いに好き同士。ほどよくみせる彼女たちの恋愛部分にはとろけちゃいます!

他にもいっぱいおもしろポイントはありますが、今回はここまで!
気になった方は、試し読みをご覧になられたり、書店さんに行って見たり買ったりしてみて下さいね。
他にも、カクヨム様で本編では描き切れなかった「白南関攻防戦」が掲載されているそうなので、そちらも本編を読み終わった後、みてみて下さい。

▯感想

まず始めに。

これはほんと読んでみて!!

ざっくりいうと、世界で最弱なヒトである主人公が軍師となって、ヴァンパイアの公女とともに、戦ってヒトの尊厳を取り戻していくストーリーなんだけど。この作品、ストーリーや世界観などが壮大で、キャラクターも恋愛やバトルにそれぞれ想いがあって、面白いんです!

まとめられないから一つ一つ言っていくよ!

まず、ヒトが最弱であるというところ! 魔物、魔獣、妖魔が世界を統べていて、ヒトは無残に殺されたりします。仲間やさっきまで話をしていたヒトが数秒後、殺されちゃうんですよ。殺され方はそれぞれなんですが、その部分はグロすぎず、けれど、恐怖を覚えるような描写がなされていて読みやすい! グロすぎると恐怖で読めなかったりするので、読みやすいのはいいですね。

そして、主人公のジノ君はそんな最弱なヒト! 
へたしたらすぐに死んじゃう。けれどジノ君は本を読み、知恵を身に着ける。もともとエーテルっていう魔法みたいな力も持っているんだけど、それでもだよ! そんなジノ君がなぜそんなことをやるかというと叶えたい夢があるから。それは「ヒトだけが暮らせる国を創ること」! 仲間がいたんだけど、殺されちゃって、大切な仲間に託された夢。それを叶えるために力を身につける良い主人公なんですよ!
まだ続けるよっ!!
ジノ君はヴァンパイアの公女のヘネシーに気に入られて、仕えて、天才になっていきます。最初はヒトだからといろいろいわれていたのに、才能を見せつけ、認めさせていくところは王道であってもすごく熱くなれる! ヒトがちゃんと見てもらえているんですからね。キャラたちもいいんだけど、こういう展開は人として嬉しかったりしますね。

次に、ヴァンパイアの国!
国の中にそれぞれ地区みたいなのがあって。ヘネシーたちが暮らしてるのは西のところ?にある場所。その場所でいろいろと話が進んでいくんだけど、他にも東南北いっぱい場所があるわけじゃないですか。そして、他の生物たちが暮らす場所もある。そんな世界がちゃんと見えて。次ここでなにかをやるんじゃないかっていう期待感が出てきちゃう!

そして、ジノとヘネシー!
2人のラブストーリーがところどころにあって、近すぎず、遠すぎず、甘くてとろける2人の会話や行動はみてて飽きないんですよね。種族の違いもあって、認められないであろう恋がそこにはあって。傍にいてほしい、ヴァンパイアになってほしい。そんなヘネシーの想いは可愛さと切なさがあってとても綺麗でした。

クライマックスからのラスト!
内容紹介のところでも言ったんだけどもう一度。戦になって、これしか勝てる方法がない。その作戦を実行する。けれど、あるメインといえるキャラクターがね――と絶対にこの部分は読んでみてほしいので言わないけど、この部分がすごく切ないんですよ! 

最後に、イラスト!
ほとんどのイラストでヘネシーがいて。カッコよく見えるところ、可愛く見えるところがあって、すごかった!(語彙力…)
とくに、好きだったのは175ページ! ジノとヘネシーの表情が思いあってる感じがしてすごくいいんですよ。そして、手をね、指先だけちょこっと組んでるの! ちょこっとっていうのがほんと対等じゃないって思わせるんです。背景と合わせてこのイラストは良すぎました!

これだけいっぱい言ってきたけれど、この作品は途中で終わっちゃうんですよね。それだけがすごく残念なところ。
だけど、1巻では終わっちゃいけないと思わせるようなストーリー、世界観、キャラクターは読んでいてすごく引き込まれて、続きが読みたくなりました!

ファンタジー作品が好きな方、戦記ものが好きな方、すーっごくオススメです!!!

▯最後に

2巻楽しみにしています。
彼らは戦に勝つことができるのか
主人公はどのような策をうちだすのか
続きがとても読みたくなる作品でした。

以上、ラノ感でした!

▯章ごとにいろいろまとめてみた


ジノヘネシーライバールシールバトルシーンページ数
序曲××××11
第一楽章××78
第二楽章×98
第三楽章×63
第四楽章55
最終楽章××17
合計322

名前が書いてあってもセリフがない、
登場してない場合はカウントしていません。
キャラは出ているが〇出てないが×です
キャラ以外(バトルシーン)は
あるが〇ないが×微妙が△です
(キャラ以外は管理人が思った通りに
書いているので、
〇×△は多少の違いがあるかもです)