
著者 葉月 文 イラスト ぶーた
コミカライズが決定した
ファン待望の続刊!!
Helloの物語がまた――
ファン待望の続刊!!
Helloの物語がまた――
こんにちは、夕凪真白です。
今回は電撃文庫から『Hello,Hello and Hello 〜piece of mind〜』の感想!
あらすじ
「わたしたちは最後の瞬間、お互いに向かって同じことを願ったの。会いにきて、名前を呼んでって。だって、それは――」大学生活も終わりの足音が近づいてきた春の日に、僕は見知らぬ少年に声をかけた。その横顔はやけに真剣で、切実で、かつての自分に重なった気がした。こんな風に新たな出会いを紡ぎ、僕は明日を歩いていく。いつか失った“願い”を手に、幸のように笑う“誰か”のもとへ。再び辿りつくことを祈りながら。電撃文庫MAGAZINEに掲載され、好評を博した短編3本に加え、書き下ろし中編『Contact.214+1 僕たちの辿りついた場所』を収録した待望の続刊が登場!
(電撃文庫公式サイトより)
感想
続編出ましたよ! 1巻でまとまっていたので終わっちゃったかな? と思ったのですが、こうやって短編集として出してくれるのはうれしいですね。さて、そんな今回の作品、電撃文庫MAGAZINEに掲載されていた作品が3本と書き下ろしの作品が収録されていました。
電撃文庫MAGAZINEに掲載されていた作品は、ミスコンの話と朱音ちゃんの恋の話と、冬の海に行った話。(間違ってたらごめんなさい!)
ミスコンの話は、新聞部で行われているミスコンに、朱音ちゃんが「由くんがミスコンの運営を手伝うんだったら出てもいい」と言い出して、由くんがミスコンの手伝いをすることになる話!
朱音ちゃんが、なぜ条件を出して出ると言い出したのか、大学なんかでやるはずのミスコンが、どうしてこの学校でやることになったのかが明らかになって。ラストの朱音ちゃんの可愛い笑顔にすごく恋する想いが詰まっていました。
朱音ちゃんの恋の話は水泳部の後輩と勝負する話!
後輩から憧れられていたのに、朱音ちゃんは引退してから受験などで忙しくなって。そんな、弱くなっちゃった姿を後輩に見せちゃうんですよね。その後、朱音ちゃんは1週間頑張ってまた勝負することになるんだけど。ここがすごくいい! 先輩と後輩、憧れられているからこそ、みせちゃいけない姿っていうものがあると思うんだよね。そんな姿を見せてしまった、朱音ちゃんの情けなさみたいなものが強く感じられて。
後輩と勝負し終わった後に朱音ちゃんは、結果を由くんに報告しようかなとか考えちゃうんだけど、そこで由くんの隣に知らない女の子(由希)がいて、1巻の196ページ「あんたは何?」に繋がっていくんですよ。由くんへの想いがあって1巻へと続く流れは読んでいて切なすぎましたね。ミスコンの話と合わせて、朱音ちゃんの恋する気持ちは辛いです。
冬の海に行った話は由希が海へ行きたいといいだして行くことになる話!
「タンタンタタタタタタン(p.155 l.7)」や「うーみ、うーみ、うみ、うみみみ(p.159 l.9)」、「わああああ⤴️(p.161 l.12)」、「あ、あああ⤵️(p.161 l.14)」など、可愛らしい表現と子供っぽい由希がいて、すごく由希が楽しそうでした。微笑ましいですね。
そして、書き下ろしの中編!
大学生活も終わりそうなときに由くんがある少年と出会っての話なんだけど。登場人物が全員成長していて。ビールなんかも飲むようになっていて。変わっていく日常、変わっていた彼らのそばには由希の姿は描かれていないものの、由くんの近くには由希がいるようで、すごく感動的!
そして、とある少年?、ハルトくんが仲間外れになって一人ぼっちになっていて。そんな姿に由くんは昔の自分と重ねちゃうんですよね。そんなハルトくん、100メートル走でリーダー的存在の子?に勝ったら、もう一度仲間に入れてくれるという理由で、練習をしています。由くんはハルトくんの練習を付き合っていって、最後勝負のシーンがあるんだけど。ゴールの向こう側に立って由くんが全力で叫んでいる姿はもう、コーチと生徒って感じですごく良いんですよ!
そしてこの話、最後まで読むと、最初の話は繋がっていたんだと知っちゃうんですよね。読み終わた後、最初のページをもう一度読み返すと、由くんと由希の2人が繋がっているようで、本当に涙を流さずにはいられなかった。あとがきを読むとこれがもっとジワリとくるんですよ。なので、あとがきは必見です!
1巻と2巻は別々に読んでも面白いんだけど、一緒に読むと、なお面白い! そしてcontact順に読むと2人がだんだんと繰り返したという軌跡がみえていいんですよね!!(あれ? これはネタバレ? もうほとんどの人が知ってるよね? ……知ってるよね?)
そして、イラスト!

もう、これ可愛い!!
裏表紙に描かれてあるイラストなんだけど、小さいサイズになったものって、どうしてこう愛くるしさがあるのか、不思議ですね。
Hello,Hello and Hello
由希と春由くんとの出会いがもっと届きますように……
以上、ラノ感でした!
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